障害福祉サービスを使おうとすると、市区町村から「サービス等利用計画案」を出すよう求められることがあります(障害者総合支援法第22条第4項)。この計画案を作る専門職が、相談支援専門員です。一方で、介護や福祉の現場で働きながら、次の仕事として相談支援専門員を考えている方もいらっしゃると思います。
相談支援専門員は、法律や指定基準、国の告示によって、役割と要件が細かく決められている職種です。本記事では、相談支援専門員とは何か、何をしてくれるのか、どうすればなれるのかを、法令と厚生労働省の資料に沿って、わかりやすくご説明したいと思います。
サービスを利用するご本人・ご家族は「利用する側から見た相談支援専門員」から、目指す方は「相談支援専門員になるには」から読んでいただくこともできます。
ひとことで言うと
相談支援専門員とは、障害福祉サービスや障害児通所支援を使うための計画(サービス等利用計画・障害児支援利用計画)を作り、事業所との連絡調整や定期的な見直し(モニタリング)を行う専門職です。国家資格ではなく、国の告示で定められた実務経験と研修の修了という要件を満たした人が、相談支援事業所に配置されて業務を行います。
相談支援専門員とは?法律上の位置づけと呼び方
相談支援専門員は、障がいのある方やご家族の相談に応じ、福祉サービスを使うための計画を作る専門職です。名前に「専門員」とありますが、試験に合格して得る国家資格ではありません。ここでは、法令のどこに定められているか、どう呼ばれているか、いつ始まり、いま何人いるかを順にご説明します。
指定基準と告示で決まる「相談支援専門員」
相談支援専門員という職種は、事業所の運営ルールを定めた省令(指定基準)に出てきます。障害者総合支援法に基づく指定計画相談支援の基準は、指定特定相談支援事業所ごとに、専らその職務に従事する相談支援専門員を置かなければならないと定めています(平成24年厚生労働省令第28号 第3条第1項)。
同じ条文で、相談支援専門員とは「指定計画相談支援の提供に当たる者としてこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるもの」とされています。その中身を定めているのが、平成24年厚生労働省告示第227号です。告示は、一定の実務経験があること(第一号)と、相談支援従事者初任者研修などを修了していること(第二号)の両方を満たす人と定めています。
障がいのある子どもの計画を作る障害児相談支援事業所にも、児童福祉法に基づく基準で、同じように相談支援専門員の配置が定められています(平成24年厚生労働省令第29号 第3条第1項)。相談支援専門員が行う「相談支援」の中身は、障害者総合支援法第5条第19項以下と、児童福祉法第6条の2の2第6項以下に定義されています。
「計画相談員」「相談支援員」と呼ばれることもあります
相談支援専門員は、日常の会話では「計画相談員」「相談員」などと呼ばれることもあります。利用者の方やご家族が、担当の相談支援専門員を「相談支援員さん」と呼ぶ場面もあります。
ただし、法令上の「相談支援員」は別の職種です。令和6年度の報酬改定で、社会福祉士または精神保健福祉士が、相談支援専門員になる前の段階から一部の業務に従事できる「相談支援員」が設けられました(後述)。生活困窮者自立支援制度の自立相談支援機関で働く「相談支援員」とも別のものです(厚生労働省「障害福祉分野における『相談支援員』の周知用リーフレット」)。
いつからある職種か
厚生労働省の「相談支援業務に関する手引き」(令和6年3月)によると、相談支援専門員は、2006(平成18)年の障害者自立支援法の施行時に、相談支援事業の担い手として創設されました。
その後、2015(平成27)年4月以降は、原則として、障害福祉サービスを利用する人には「サービス等利用計画案」、障害児通所支援を利用する人には「障害児支援利用計画案」の提出が必要になっています(同手引き)。
国の調査で見る事業所数と人数
厚生労働省「障害者相談支援事業の実施状況等について(令和7年調査)」によると、令和7年4月時点で、指定特定相談支援事業所・指定障害児相談支援事業所は12,861か所です。これらの事業所で相談支援業務に従事する人は34,484人で、うち相談支援専門員は29,821人でした(指定一般相談支援事業所の指定もあわせて受けている場合は、その業務に従事する人も含む数)。
このほか、施設や病院から地域生活への移行などを担う指定一般相談支援事業所が3,785か所あります(同調査)。
相談支援専門員の仕事内容と働く場所
相談支援専門員の仕事の中心は、障害福祉サービスなどを使うための計画を作り、使い始めた後も定期的に見直すことです。法律上は、この仕事を含めて4つの「相談支援」に分けられています。ここでは、4つの種類、計画づくりの流れ、子どもの場合、働く場所の順にご説明します。
4つの相談支援
障害者総合支援法は、「相談支援」を基本相談支援・地域相談支援・計画相談支援に分けています(第5条第19項)。これに児童福祉法の障害児相談支援を加えた4つが、相談支援専門員の主な仕事です。
| 種類 | 主な内容 | 根拠 | 担う事業所 |
|---|---|---|---|
| 基本相談支援 | 暮らし全般の相談への対応、情報の提供と助言、市区町村や事業所との連絡調整 | 障害者総合支援法 第5条第20項 | 特定・一般相談支援事業所 |
| 計画相談支援 | サービス等利用計画の作成(サービス利用支援)と、定期的な見直し(継続サービス利用支援) | 同法 第5条第19項・第23項・第24項 | 指定特定相談支援事業所 |
| 障害児相談支援 | 障害児通所支援を使うための障害児支援利用計画の作成と見直し | 児童福祉法 第6条の2の2第6項〜第8項 | 指定障害児相談支援事業所 |
| 地域相談支援 | 施設や病院から地域生活への移行の支援(地域移行支援)と、緊急時などの相談への対応(地域定着支援) | 障害者総合支援法 第5条第19項・第21項・第22項 | 指定一般相談支援事業所 |
基本相談支援は、ほかの相談支援の土台になる相談です。法律では、特定相談支援事業は基本相談支援と計画相談支援を、一般相談支援事業は基本相談支援と地域相談支援を、あわせて行う事業と定義されています(同法第5条第19項)。
計画相談支援の流れ:アセスメントからモニタリングまで
障害福祉サービスを使うときの計画づくりは、指定基準に手順が定められています(平成24年厚生労働省令第28号 第15条)。主な流れは次のとおりです。
- 相談・契約:事業所が重要事項を記した文書を渡して説明し、同意を得てから始めます(第5条)。
- アセスメント:相談支援専門員が自宅などを訪問し、本人と家族に面接して、希望する暮らしや解決すべき課題を把握します(第15条第2項第5号〜第7号)。
- サービス等利用計画案の作成:暮らしに対する意向、援助の方針、サービスの種類や量などを書いた計画案を作り、説明して文書で同意を得て、交付します(同項第8号・第10号・第11号)。
- 支給決定:市区町村が、計画案などを勘案して、サービスの支給を決めます(障害者総合支援法第22条第6項)。
- サービス担当者会議と計画の作成:サービス事業所の担当者を集めて意見を聞き、計画を確定して本人と担当者に交付します(第15条第2項第12号〜第14号)。
- モニタリング:決められた期間ごとに自宅などを訪問して面接し、計画が合っているかを確かめ、必要に応じて見直します(第15条第3項)。
モニタリングの期間は、利用するサービスや本人の状況を勘案して、市区町村が必要と認める期間とされています。勘案する目安として、1か月、3か月、6か月といった期間が定められています(障害者総合支援法施行規則第6条の16)。
就労系のサービスとのかかわりも、基準に書かれています。就労移行支援や就労継続支援を利用している方について、就労選択支援が必要と認められるときの情報提供も、相談支援専門員の役割です。就労選択支援の評価と整理の結果を踏まえて、計画を見直すことも求められています(第15条第3項第6号・第7号)。就労選択支援の仕組みは、就労選択支援とはの記事で詳しくご説明しています。
計画相談支援そのものの詳しい流れは、別の記事で扱う予定です。
障がいのある子どもの場合
児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援を使う場合は、児童福祉法に基づく障害児相談支援として、「障害児支援利用計画」が作られます(児童福祉法第6条の2の2第7項)。担当するのは、指定障害児相談支援事業所の相談支援専門員です。
計画を作るときは、子どもの年齢や発達の程度に応じてその意見が尊重され、最善の利益が優先して考慮されるよう努めることとされています(平成24年厚生労働省令第29号 第15条第2項第1号)。長期休暇の預け先を相談支援専門員と一緒に考える方法は、障がい児の夏休みと仕事の記事でご紹介しています。
働く場所:相談支援事業所と基幹相談支援センター
相談支援専門員の主な職場は、指定を受けた相談支援事業所です。計画相談支援を行う「特定相談支援事業所」、障害児相談支援を行う「障害児相談支援事業所」、地域相談支援を行う「一般相談支援事業所」があり、1つの事業所が複数の指定を受けていることもあります。3つの種類の違いは、相談支援事業所とはの記事で詳しく扱っています。
令和7年調査では、指定特定・指定障害児相談支援事業所の運営主体は、社会福祉法人が36%、営利法人が31%、特定非営利法人が14%などでした。窓口の設置場所は、障害福祉サービス事業所内が75%です。
地域の相談支援の中核となる基幹相談支援センターは、66%(1,152市町村・1,457か所)の市町村が設置しています(同調査)。基幹相談支援センターや、市町村から障害者相談支援事業の委託を受けた事業所でも、相談支援専門員が働いています。センターの役割は、基幹相談支援センターとはの記事をご覧ください。
利用する側から見た相談支援専門員
ここからは、障害福祉サービスを利用するご本人とご家族の立場から、相談支援専門員について確かめておきたい点をまとめます。何をしてくれるのか、費用はかかるのか、守るべきルールは何か、合わないと感じたらどうするか、頼まずに計画を作る方法はあるのか、の順にご説明します。
何をしてくれる?どこまでやってくれる?
相談支援専門員の仕事は、暮らし全体の相談に乗り、必要なサービスを組み合わせた計画を作り、事業所や市区町村との連絡調整をすることです。法律でも、基本相談支援は、相談への対応、情報の提供と助言、連絡調整などと定義されています(障害者総合支援法第5条第20項)。
入浴や食事の介助、外出の付き添いといった支援は、主に、計画に位置付けた居宅介護などのサービス事業所が担います。相談支援専門員は、その組み合わせを考え、うまくいっているかを確かめる立場です。厚生労働省の手引きは、相談支援として、利用者が希望する日常生活を続けるために必要な支援を直接行うこともある、としています。
計画づくりでは、本人の自己決定を尊重し、意思決定の支援に配慮することが基準で求められています(平成24年厚生労働省令第28号 第15条第2項第1号)。障害福祉サービス以外の福祉サービスや、地域の住民による活動なども、計画に位置付けるよう努めることとされています(同項第3号)。
費用はかかる?
計画相談支援を利用するときに、利用者が費用を負担することは基本的にありません。計画相談支援給付費の額は、国が定める基準で算定した費用の額(実際にかかった費用がそれより少ない場合は、その額)とされており、費用の全額が給付されるしくみだからです(障害者総合支援法第51条の17第2項)。障害児相談支援も同じ仕組みです(児童福祉法第24条の26第2項)。
例外として、利用者の選択で、事業所の通常の事業の実施地域の外にある自宅などを訪問してもらう場合は、交通費を請求されることがあります。その場合も、事業所はあらかじめ額を説明し、同意を得なければなりません(計画相談支援・障害児相談支援の各基準 第12条第2項・第4項)。
相談支援専門員と事業所がしてはいけないこと
相談支援専門員と事業所には、利用者の立場に立って公正に仕事をするためのルールが、指定基準で定められています。主なものは次のとおりです。条番号は、計画相談支援と障害児相談支援の各基準で共通です。
| ルール | 内容 | 各基準の条文 |
|---|---|---|
| 公正中立 | サービスが特定の種類や特定の事業者に不当に偏らないようにする | 第2条第4項 |
| 相談支援専門員に指示しない | 事業者と管理者は、計画を作る・変えるときに、相談支援専門員に特定の事業者のサービスを位置付けるよう指示してはならない | 第26条第1項 |
| 利用者に指示しない | 相談支援専門員は、計画を作る・変えるときに、利用者に特定の事業者のサービスを利用すべきと指示してはならない | 第26条第2項 |
| 利益の受け取りの禁止 | サービスを利用させる対償として、事業者から金品などを受け取ってはならない | 第26条第3項 |
| 秘密を守る | 正当な理由なく業務上知った秘密を漏らさない。会議で個人情報を使うときは、あらかじめ文書で同意を得る | 第24条 |
| 提供を拒まない | 正当な理由なく、提供を拒んではならない | 第7条 |
| 身分証を示す | 初回の訪問時や求められたときに、身分を証する書類を提示する(事業者が指導) | 第11条 |
計画の内容や事業所の選び方で気になることがあれば、まず担当者や事業所に理由を尋ねてみることができます。
合わないと感じたとき
担当の相談支援専門員と合わないと感じたときは、関係を終える前に確かめられることがあります。
- 担当者に、気になっている点を具体的に伝える
- 事業所の管理者に伝える(管理者は、相談支援専門員に基準を守らせる立場です。第18条)
- 事業所の苦情受付の窓口を使う(事業所は苦情の窓口を設けることとされています。第27条第1項)
それでも難しい場合は、同じ事業所内で担当を変えてもらえないか相談する方法や、別の事業所に変える方法があります。別の事業所の利用を希望するときや、そのほか利用者から申出があったときは、事業所は、直近の計画とその実施状況に関する書類を交付しなければなりません(第16条)。変えるときの手続は、お住まいの市区町村の障害福祉の窓口で確認してください。
事業所の対応に納得できない場合は、市区町村や、都道府県社会福祉協議会に置かれる運営適正化委員会に相談することもできます(社会福祉法第83条、各基準第27条)。
変えるかどうかは、ご本人とご家族が決めることです。相談支援専門員とのかかわりに悩む方に向けて、当サイトには離れたほうがよい相談支援専門員の特徴をまとめた記事もあります。変える手順は、別の記事で詳しく扱う予定です。
相談支援専門員に頼まない方法(セルフプラン)
サービス等利用計画案は、相談支援専門員ではなく、ご本人やご家族などが作ることもできます。一般に「セルフプラン」と呼ばれる方法です。
法律では、市区町村から計画案の提出を求められた人は、省令で定める場合に、指定特定相談支援事業者以外の者が作った計画案を代わりに提出できるとされています(障害者総合支援法第22条第5項、同法施行規則第12条の5)。省令で定める場合とは、身近な地域に指定特定相談支援事業者がない場合と、申請した人がそうした計画案の提出を希望する場合です(同規則第12条の4)。
令和7年調査によると、令和7年3月末時点のセルフプラン率の全国平均は、計画相談支援で16.4%、障害児相談支援で30.9%でした。市区町村別のデータ(同時点)では、計画相談支援のセルフプラン率が川崎市で64.4%、新潟市で0.5%など、地域によって大きな差があります。
セルフプランと相談支援専門員への依頼の、どちらがよいとは一律には言えません。書き方や、相談支援専門員への切り替え方は、別の記事で扱う予定です。
相談支援専門員になるには
相談支援専門員は国家資格ではなく、試験もありません。告示で定められた実務経験と研修の修了という2つの要件を満たし、相談支援事業所に配置されることで、相談支援専門員として業務を行います。ここでは、その全体像をご説明します。
2つの要件:実務経験と初任者研修
1つめの要件は、障がいのある方などへの相談支援や介護などの実務経験です。告示第227号が、業務の種類ごとに必要な期間を定めています。主なものは次のとおりです。
| 業務の内容(主な例) | 必要な期間(通算) |
|---|---|
| 相談支援の業務(相談支援事業所、児童相談所、福祉事務所、障害者支援施設、障害者就業・生活支援センター、特別支援学校の進路相談など) | 5年以上 |
| 介護などの業務で、社会福祉主事任用資格、保育士、児童指導員任用資格などがある場合 | 5年以上 |
| 介護などの業務で、上の資格などがない場合 | 10年以上 |
| 上の業務が3年以上あり、かつ、医師・看護師・社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・公認心理師などの資格に基づく業務が5年以上ある場合 | 3年以上(+資格に基づく業務5年以上) |
※ 医療機関の従業者は一定の条件を満たす場合に限られるなど、告示には細かな区分と例外があります。対象になるかどうかは、研修を実施する都道府県の案内で確認してください。
2つめの要件は、都道府県(または都道府県が指定する事業者)が行う相談支援従事者初任者研修の修了です。研修の内容は告示で定められており、講義11時間と講義・演習31.5時間の合計42.5時間に、時間数の定めのない「相談支援の基礎技術に関する実習」が加わります(告示第227号 別表第二)。日程や費用、受講の手続は都道府県ごとに異なります。
現任研修と主任研修
相談支援専門員として働き続けるには、5年度ごとに相談支援従事者現任研修(講義・演習24時間。告示第227号 別表第一)を修了する必要があります。期限は、初任者研修を修了した日の属する年度の翌年度を初年度として、5年度ごとの各年度の末日までとされています(同告示第二号)。
現任研修の受講には、実務経験の要件もあります。初任者研修を修了した後、初めて現任研修を受けるときは、過去5年間に2年以上の相談支援の実務経験が必要です。2回目以降は、この要件を満たす場合のほか、現に相談支援の業務に従事している場合も受講の対象になります(厚生労働省「相談支援専門員の制度について」)。対象となる業務や必要な証明書は、受講先の都道府県の案内で確認してください。
現任研修を修了した後、相談支援の業務に3年以上従事するなどの要件を満たすと、主任相談支援専門員研修(30時間)を受講できます。主任研修を修了した場合は、現任研修を修了したものとして扱われます(同告示第二号)。
令和6年度の修了者は、初任者研修6,330人、現任研修5,497人、主任研修713人でした(令和7年調査)。実務経験の数え方、初任者研修、現任研修は、それぞれ別の記事で詳しく扱う予定です。
相談支援専門員と似た職種との違い
相談支援専門員は、介護保険のケアマネジャーや、障害福祉サービス事業所のサービス管理責任者と混同されることがあります。名前の似た相談支援員や主任相談支援専門員もいます。それぞれとの違いを整理します。
介護保険のケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャーも、利用者の相談に乗り、サービスの計画を作る点は似ています。主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 相談支援専門員 | 介護支援専門員(ケアマネジャー) |
|---|---|---|
| 主な根拠法 | 障害者総合支援法・児童福祉法 | 介護保険法 |
| 作る計画 | サービス等利用計画・障害児支援利用計画 | 居宅サービス計画(ケアプラン)など |
| なり方 | 実務経験と初任者研修の修了(試験はない) | 実務経験を有し、介護支援専門員実務研修受講試験に合格して実務研修を修了した後、都道府県知事の登録を受け、介護支援専門員証の交付を受ける(介護保険法第7条第5項・第69条の2・第69条の7) |
どちらが難しいかや給与の違いは、別の記事で扱う予定です。
サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者
サービス管理責任者は、生活介護や就労継続支援などの障害福祉サービス事業所に置かれ、その事業所での支援の内容を定める「個別支援計画」を作ります。障がいのある子どもの通所支援の事業所では、児童発達支援管理責任者が同じ役割を担います。
相談支援専門員が作るサービス等利用計画は、複数のサービスを組み合わせた暮らし全体の計画です。個別支援計画は、その中の1つの事業所での支援の計画という違いがあります。
相談支援員(令和6年度創設)
相談支援員は、令和6年度の報酬改定で設けられた職種です。社会福祉士または精神保健福祉士の資格がある人が、相談支援専門員の要件を満たす前から、事業所で一部の業務に従事できます(平成24年厚生労働省令第28号 第3条第4項)。
置くことができるのは、機能強化型の基本報酬を算定している事業所で、かつ、その事業所の主任相談支援専門員から指導・助言を受ける体制がある場合に限られます(同項)。主な業務は、サービス等利用計画の原案の作成とモニタリングです(厚生労働省リーフレット)。
主任相談支援専門員
主任相談支援専門員は、事業所や地域で指導的な役割を担う相談支援専門員です。厚生労働省の手引きは、実習時の助言・指導や、適切な計画を作るための現場での実地教育などを通じて、相談支援の質の確保を図る役割を期待しています。養成は平成30年度に始まり、基幹相談支援センターの主な人材としても想定されています(同手引き)。
相談支援員と主任相談支援専門員は、それぞれ別の記事で詳しく扱う予定です。
働く人から見た相談支援専門員
相談支援専門員を目指す方や、いま働いている方にとって気になるのが、担当件数と給与です。ここでは、指定基準の「標準」、公的な調査の数字、令和8年6月の処遇改善加算の新設をご紹介します。
標準担当件数は1か月35件(計画作成・モニタリングの件数)
指定基準は、相談支援専門員の員数の標準を、計画相談支援の対象者の数が35またはその端数を増すごとに1人と定めています(平成24年厚生労働省令第28号 第3条第2項)。対象者の数は前6か月の平均で数え(新たに指定を受ける場合は推定数)、障害児相談支援をあわせて一体的に行う事業所では、両方の対象者の合計で考えます(同条第2項・第3項)。
厚生労働省は、この標準を、1人の相談支援専門員が1か月に実施するサービス利用支援等(計画の作成とモニタリング)の件数として説明しています。1か月に計画の作成やモニタリングを行う件数が35件またはその端数を増すごとに1人を配置するという考え方で、月ごとの件数の変動をならすために前6か月の平均で数えます(厚生労働省「計画相談支援等に係る平成30年度報酬改定の内容等及び地域の相談支援体制の充実・強化に向けた取組について」平成30年3月30日 障障発0330第1号)。モニタリングの期間は人によって1か月・3か月・6か月などと異なるため、1人の相談支援専門員が契約している利用者の人数は、この件数より多くなることがあります。
35件は、事業所に置く相談支援専門員の人数を決めるための「標準」として定められています。業務に支障がない場合は、同じ事業所の他の職務や、他の事業所などの職務と兼ねることもできるとされています(同条第1項ただし書)。担当件数に応じて報酬がどう変わるかは、別の記事で扱う予定です。
給与と令和8年6月の処遇改善加算
厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」には、相談支援等の事業所について、職種別の平均給与額の集計があります。この調査の第140表によると、相談支援等の事業所に令和5年9月と令和6年9月のいずれも在籍していた常勤の職員について、令和6年9月の平均給与額は、相談支援専門員(1,123人)が364,950円、主任相談支援専門員(240人)が435,140円でした。平均給与額は、基本給と手当に一時金(4〜9月の支給額の6分の1)を加えて算出したもので、手当には時間外手当や通勤手当なども含まれます。回答のあった事業所の職員の平均値です。
令和8年度の報酬改定では、それまで処遇改善加算の対象外だった計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援に、処遇改善加算が新設されました(加算率5.1%、令和8年6月施行)。新たに対象となったこれらのサービスでは、処遇改善加算Ⅳに準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱと職場環境等要件)か、令和8年度特例要件を満たした事業所が算定できます。加算Ⅳに準ずる要件は、令和8年度中に対応するという誓約でも認められます。あわせて、加算の対象となる職員の範囲が、福祉・介護職員から障害福祉従事者に広げられました(厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」)。加算は事業所が算定し、職員の賃金改善に充てる仕組みです。
給与の詳しい比較は、別の記事で扱う予定です。現場で働く相談支援専門員が感じていることについては、相談支援専門員が抱える理想と現実もご覧ください。
相談支援専門員についてよくある質問
相談支援専門員について、よくある疑問をまとめました。
Q1. 相談支援専門員は国家資格ですか?
国家資格ではなく、試験や合格率もありません。告示第227号で定める実務経験と、相談支援従事者初任者研修の修了という要件を満たした人が、相談支援事業所に配置されて業務を行います。「相談支援専門員の資格」と呼ばれることもありますが、法令上は、配置するための要件として定められています。
Q2. 相談支援専門員に計画を作ってもらわないと、サービスは使えませんか?
障害福祉サービスの支給を申請すると、市区町村は、サービス等利用計画案の提出を求めることとされています(障害者総合支援法第22条第4項、同法施行規則第12条の2)。この計画案は、指定特定相談支援事業者の相談支援専門員が作るのが基本です。ただし、身近に事業者がない場合や、申請したご本人(障がいのある子の場合は保護者)が希望する場合は、ご本人やご家族などが作った計画案(セルフプラン)を出すこともできます(同法第22条第5項、同規則第12条の4)。介護保険の居宅介護支援などの対象となる方は、市区町村が必要と認める場合に計画案が求められます(同規則第12条の2ただし書)。
Q3. 相談支援専門員はどこで探せばいいですか?
お住まいの市区町村の障害福祉の窓口や、基幹相談支援センターで、地域の相談支援事業所を教えてもらえることがあります。独立行政法人福祉医療機構が運営するWAM NETの「障害福祉サービス事業所検索」でも、地域とサービスの種類(計画相談支援・障害児相談支援など)から事業所を探すことができます。探し方は相談支援事業所の探し方で詳しくご説明しています。
Q4. 相談支援専門員と相談支援員は同じですか?
同じではありません。法令上の相談支援員は、令和6年度に設けられた職種で、社会福祉士・精神保健福祉士が、一定の要件を満たす事業所で一部の業務に従事します。ただ、利用者の方が担当の相談支援専門員を「相談支援員」と呼ぶこともあるため、文脈で確かめることが大切です。生活困窮者自立支援制度の相談支援員とも別の職種です。
Q5. 担当の相談支援専門員を変えることはできますか?
同じ事業所内で担当を変えてもらえないか相談する方法や、別の事業所に変える方法があります(本記事の「合わないと感じたとき」もご覧ください)。手続は市区町村によって異なるため、障害福祉の窓口で確認してください。
Q6. 障害者手帳がなくても相談できますか?
厚生労働省の案内は、市町村の障害者相談支援事業(窓口は市町村、または市町村から委託を受けた相談支援事業者)の対象者を「障害のある人やその保護者など」としています。ただし、障害福祉サービスを使うには、障がいの種類に応じた確認と市区町村の支給決定が必要です。たとえば身体障がいのある方は、身体障害者手帳で確認されます(厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」)。相談の受け付け方は、お住まいの市区町村で確認してください。
まとめ
相談支援専門員は、障害福祉サービスや障害児通所支援を使うための計画を作り、使い始めた後も見直しを続ける専門職です。国家資格ではなく、告示で定める実務経験と研修の修了を満たした人が、相談支援事業所に配置されて業務を行います。
利用する方にとっては、費用の負担は基本的になく、公正中立や秘密保持などのルールが指定基準で定められています。合わないと感じたときは、担当や事業所を変える方法や苦情の窓口があり、セルフプランという選択肢もあります。
目指す方にとっては、業務の種類と資格に応じた実務経験(相談支援の業務なら通算5年以上など)と、初任者研修(42.5時間+実習)の修了が入口です。その後も、相談支援の実務を続けながら、5年度ごとに現任研修を修了する必要があります。
制度の内容は、報酬改定などで変わることがあります。最新の情報は、厚生労働省や、お住まいの市区町村・都道府県の案内で確認してください。
参考資料
本記事で参照した法令と、厚生労働省の資料は次のとおりです。
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)第5条・第22条・第51条の17(e-Gov法令検索)
- 児童福祉法第6条の2の2・第24条の26(e-Gov法令検索)
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則第6条の16・第12条の2・第12条の4・第12条の5(e-Gov法令検索)
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第28号)
- 児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第29号)
- 指定計画相談支援の提供に当たる者としてこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるもの(平成24年厚生労働省告示第227号)
- 介護保険法第7条第5項・第69条の2・第69条の7、社会福祉法第83条(e-Gov法令検索)
- 厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」
- 厚生労働省「相談支援業務に関する手引き」(令和6年3月)
- 厚生労働省「相談支援専門員の制度について」
- 厚生労働省「相談支援員について」(周知用リーフレット)
- 厚生労働省「計画相談支援等に係る平成30年度報酬改定の内容等及び地域の相談支援体制の充実・強化に向けた取組について」(平成30年3月30日 障障発0330第1号)
- 厚生労働省「障害者相談支援事業の実施状況等について(令和7年調査)」(令和8年5月7日公表)、同「セルフプラン率(人口規模別)」(令和7年3月末時点)
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」(第140表)
- 厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」(令和8年2月18日)
- 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」
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よこぜき行政書士事務所

