はじめに

相談支援専門員を目指す方にとって、働き始めたあとの年収や給料は気になるところだと思います。

求人サイトには給与の例が多く載っていますが、それぞれの職場の提示額であり、相談支援専門員全体の水準を示すものではありません。

国の調査には、相談支援専門員の平均給与額を集計した表があります。

また、令和8年6月には、それまで処遇改善加算の対象外だった計画相談支援などに、処遇改善加算が新設されました。

本記事では、相談支援専門員の年収・給料を、国の調査の数字とその読み方、給料の原資となる報酬の仕組み、処遇改善加算の新設とあわせて、わかりやすくご説明したいと思います。

相談支援専門員を目指す方と、いま相談支援専門員として働いている方に向けた記事です。

相談支援専門員の年収・給料はいくら?【国の調査】

相談支援専門員の平均給与額は、厚生労働省の調査で、常勤が月375,810円、非常勤が月155,130円です(令和7年7月)。

この数字は、「令和7年度障害福祉サービス等報酬改定検証調査(障害福祉人材の確保及び処遇状況等に関する調査)」の調査結果報告書にある、相談支援等の事業所の職種別の表(第129表・第130表)によるものです。

ここでは、常勤・非常勤の平均給与額と相談支援専門員の年収の目安、給与の内訳、数字を見るときの注意を順にご説明します。

常勤・非常勤の平均給与額と年収の目安

調査では、常勤と非常勤を分けて平均給与額を集計しています。

主な数字をまとめると、次のとおりです。

項目常勤非常勤
集計の対象になった人数1,077人98人
平均年齢47.8歳54.5歳
平均勤続年数10.3年7.1年
1か月の実労働時間168.6時間77.0時間
平均給与額(月額)375,810円155,130円
年収の目安(月額×12・当サイトの試算)約451万円約186万円

出典:厚生労働省「令和7年度障害福祉サービス等報酬改定検証調査事業 調査結果報告書(障害福祉人材の確保及び処遇状況等に関する調査)」第129表・第130表(令和7年7月)。

年収の目安は、平均給与額を12倍した当サイトの試算です。

平均給与額には、一時金(賞与など)を月あたりにならした額が含まれているため、12倍すると賞与を含めた年収に近い目安になります。

ただし、この調査の一時金は4〜7月に支給された金額を6分の1にした額なので、冬の賞与の額が夏と異なる職場や、夏の賞与を8月以降に支給する職場では、実際の年収とずれます。

非常勤の平均給与額は常勤の約41%で、1か月の実労働時間は常勤の約46%です。

なお、この表では主任相談支援専門員を別の行で集計しているため、相談支援専門員の数字は、主任相談支援専門員を除いた人の平均です。

平均給与額の内訳:基本給・手当・一時金

常勤の平均給与額375,810円は、基本給・手当・一時金の3つを足した額です。

内訳は、基本給が253,250円、手当が58,720円、一時金が63,840円です(同報告書 第129表)。

手当のうち、毎月決まって支払われる手当は43,070円です。

手当には、職務手当・処遇改善手当・通勤手当・家族手当などのほか、時間外手当(早朝・深夜・休日手当など)も含まれます。

一時金は、4〜7月に支給された賞与などの金額を6分の1にした額です。

求人票の「月給」に賞与や時間外手当が含まれているかどうかは求人ごとに違うため、この平均給与額と比べるときは、何が含まれているかを確かめる必要があります。

この数字を見るときの注意

国の調査の数字は、読み方を知っておくと、自分の場合に当てはめやすくなります。

特に、次の5点に注意が必要です。

  • 同じ人を続けて集計している:原則として、令和6年9月と令和7年7月にともに在籍していた人の平均です。その間に入職した人や退職した人は含まれません。
  • 相談支援等の事業所の集計である:第129表・第130表は、計画相談支援・地域相談支援・障害児相談支援の事業所に在籍する人を集計した表です(同報告書「Ⅵ.相談支援等の事業所に在籍する障害福祉サービス等従事者の処遇改善状況等」)。
  • 手取りではない:平均給与額は、税金や社会保険料が差し引かれる前の額です。時間外手当や通勤手当も含みます。
  • 処遇改善加算の新設より前の数字である:令和7年7月時点の数字で、令和8年6月に相談系のサービスに新設された処遇改善加算(後ほどご説明します)の影響は入っていません。
  • 令和6年9月の調査とは対象になった人が違う:「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」では、常勤364,950円・非常勤196,430円でした(令和6年9月)。調査も集計の対象になった人も違うため、この差をそのまま昇給額とみなすことはできません。

ほかの職種と比べた相談支援専門員の給料

相談支援専門員の給料が高いか安いかは、何と比べるかによって見え方が変わります。

国の調査どうしを比べるときは、対象や条件がそろっているかどうかが大切です。

ここでは、同じ表の中での比較、障害福祉サービスの他の職種、ケアマネジャーの順に見ていきます。

同じ相談支援事業所の中で比べる

第129表には、相談支援等の事業所で働く職種ごとの平均給与額が、同じ条件で並んでいます。

職種(常勤)人数平均給与額
主任相談支援専門員290人429,860円
相談支援専門員1,077人375,810円
地域移行支援従事者・地域定着支援従事者90人380,040円
事務員107人333,220円

出典:厚生労働省「令和7年度障害福祉サービス等報酬改定検証調査事業 調査結果報告書(障害福祉人材の確保及び処遇状況等に関する調査)」第129表(令和7年7月)。

主任相談支援専門員の平均給与額は、相談支援専門員より月54,050円高くなっています。

ただし、主任相談支援専門員は平均年齢48.9歳・平均勤続年数13.8年で、年齢・勤続年数とも相談支援専門員を上回っているため、この差のすべてが役割によるものとは言い切れません。

障害福祉サービスの他の職種と比べるとき

ほかの障害福祉サービスの事業所で働く職種の平均給与額は、同じ報告書の別の表(第103表)に載っています。

処遇改善加算を届け出ていない事業所も含めた常勤の平均では、福祉・介護職員が335,650円(このうち生活支援員は349,330円)、サービス管理責任者等が407,070円です(令和7年7月)。

ただし、第103表と第129表は、集計の対象になった事業所が違います。

そのため、この差は参考の目安にとどめ、「福祉・介護職員より○万円高い」とは言い切れません。

ケアマネジャーとの比較は参考にとどめる

介護保険のケアマネジャーとどちらの給料が高いのか、気になる方もいると思います。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の平均給与額は、令和6年9月で375,410円です(厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」第70表。介護職員等処遇改善加算を取得している事業所の常勤・月給の者で、令和5年9月と令和6年9月にともに在籍している人の平均)。

令和6年9月の時点では、居宅介護支援は介護職員等処遇改善加算の対象外のサービスでした(厚生労働省「介護職員等処遇改善加算の拡充」。令和8年度の改定で新設)。

そのため、この数字は、加算を取得している介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などで働くケアマネジャーの平均で、在宅の方のケアプランを作る居宅介護支援事業所のケアマネジャーとは対象が異なります。

相談支援専門員の375,810円(令和7年7月)とは、調査も時点も違い、対象の事業所の条件も違うため、単純には比べられません。

2つの職種の仕事や要件の違いは、相談支援専門員とケアマネの違いでご説明しています。

相談支援専門員の給料が決まる仕組み

相談支援専門員の給料の原資は、主に、事業所が受け取る計画相談支援などの報酬です。

そのため、報酬の仕組みと事業所の収支を知ると、給料の水準の背景が見えてきます。

ここでは、報酬の仕組みと、計画相談支援の事業所の収支をご説明します。

給料の原資は主に計画相談支援などの報酬

計画相談支援では、サービス等利用計画を作成したとき(サービス利用支援)と、モニタリングを行ったとき(継続サービス利用支援)に、事業所が報酬を受け取ります。

報酬は計画やモニタリングの件数に応じて決まるため、相談支援専門員が担当する件数が、事業所の収入に直結します。

一方で、前6か月の平均でみた相談支援専門員1人当たりの1か月の取扱件数が40件以上になると、その一部の件数は、単位数の低い区分(サービス利用支援費(Ⅱ)・継続サービス利用支援費(Ⅱ))で算定されます(厚生労働省「相談支援に関するQ&A」(令和7年3月18日)問78)。

取扱件数のうち40件以上の部分は、1件当たりの報酬が低くなる仕組みです。

担当件数と報酬の関係は、別の記事で扱う予定です。

計画相談支援の事業所の収支

「相談支援専門員は儲かるのか」という疑問には、事業所の収支から答えることができます。

厚生労働省・こども家庭庁の「令和7年障害福祉サービス等経営概況調査」によると、計画相談支援の事業所の収支差率は、令和6年度決算で3.3%です(物価高騰対策関連等の補助金収入を含めない値。含めた値は3.6%)。

令和5年度決算では、それぞれ4.2%・5.1%でした。

障害福祉サービス等の全体の平均は、令和6年度決算で4.6%(補助金収入を含めない値。含めた値は4.9%)です。

収支差率は、収入から支出を引いた額が、収入に占める割合です。

計画相談支援の事業所では、収入の95.9%が自立支援給付費などの報酬で、給与費は収入の74.5%にあたります(同調査 第20表、令和6年度決算、有効回答309)。

収入の大部分が報酬で、その多くが人件費に充てられていることがわかります。

また、1事業所あたりのサービス換算職員数は平均2人で(同表)、平均でみると小規模な事業所であることがわかります。

相談支援事業所の種類や役割は、相談支援事業所とはでご紹介しています。

令和8年6月の処遇改善加算で給料はどう変わる?

令和8年6月から、計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援に処遇改善加算が新設されました。

これらの相談系のサービスは、それまで処遇改善加算の対象外でした。

ここでは、新設された加算の内容と要件、給料にどう反映されるかをご説明します。

相談系サービスに処遇改善加算が新設された

この新設は、令和8年度の報酬改定(臨時応急的な見直し)の一つとして、令和8年6月に施行されました(厚生労働省・こども家庭庁「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」)。

加算率は、計画相談支援・地域相談支援(地域移行支援・地域定着支援)・障害児相談支援のいずれも5.1%です。

加算率は、処遇改善加算を除いた報酬の総単位数に掛ける割合です。

あわせて、処遇改善加算の対象となる職員の範囲が、福祉・介護職員から障害福祉従事者に広げられました。

算定の要件と令和8年度の特例

新たに対象となった相談系のサービスでは、加算額に相当する賃金改善を行うことに加え、次のいずれかを満たした事業所が加算を算定できます(厚生労働省・こども家庭庁「福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」3(2))。

  • 令和8年度特例要件:生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組を5つ以上実施すること(通知の別紙1表3の⑱・㉑は必須)、または事業所が所属する法人が社会福祉連携推進法人に所属していること
  • 処遇改善加算Ⅳに準ずる要件:キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱと職場環境等要件をすべて満たすこと

キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ、職場環境等要件と、特例要件の生産性向上の取組は、通知で定める整備や取組を令和9年3月末までに行うことを処遇改善計画書で誓約すれば、申請の時点から要件を満たしているものとして扱われます。

誓約した場合は、令和9年3月末までに整備や取組を行い、実績報告書で報告します。

従来から対象のサービスの特例要件には「処遇改善加算Ⅱロの加算額の2分の1以上を基本給等の改善に充てること」が含まれますが、相談系のサービスの特例要件は、上の2つの取組のいずれかです。

一人ひとりの給料への反映は事業所ごと

処遇改善加算は、事業所が算定し、職員の賃金改善に充てる仕組みです。

加算率5.1%は事業所の報酬に上乗せされる割合で、相談支援専門員一人ひとりの給料が5.1%上がることを意味するものではありません。

実際にどれだけ給料に反映されるかは、事業所が加算を算定しているか、どの職員にどのように配分するかによって変わります。

参考までに、加算が新設される前の時期でも、相談支援専門員(常勤)の平均給与額は、令和6年9月の359,470円から令和7年7月の375,810円へ、16,340円増えていました(同じ人を続けて集計した値。第129表)。

加算の新設後の給与の変化は、今後の国の調査で示されると考えられます。

これから働く職場を選ぶときは、処遇改善加算を算定しているか、賃金改善をどのように行っているかを、求人票や面接で確かめておくと安心です。

相談支援専門員の将来性と人数の推移

給料と並んで、相談支援専門員という仕事の将来性を気にする方もいると思います。

ここでは、国の資料で相談支援専門員の人数と事業所数の推移を確認し、今後の報酬改定の動きをご紹介します。

相談支援専門員の人数と事業所数の推移

厚生労働省の「障害者相談支援事業の実施状況等について(令和6年度 市町村分)」によると、指定特定相談支援事業所・指定障害児相談支援事業所に配置されている相談支援専門員は、令和7年4月時点で29,821人です。

平成27年の15,575人から、10年でおよそ1.9倍になりました。

同じ時点の指定特定・指定障害児相談支援事業所の数は12,861か所で、平成27年の7,927か所から、およそ1.6倍になりました。

この人数には、指定一般相談支援事業所の指定もあわせて受けている事業所で、その相談支援の業務に従事する相談支援専門員も含まれています。

人数と事業所数がともに増えていることは、相談支援専門員として働く場が広がっていることを示しています。

令和9年度の報酬改定で変わる可能性

障害福祉サービスの報酬は、原則として3年に1度改定され、次は令和9年度の改定です。

令和9年度の改定に向けては、障害福祉報酬改定検討チームの第62回(令和8年8月27日)で「主な論点(案)」が示され、第63回(令和8年9月24日)からは、サービスの分野ごとの議論が始まっています。

計画相談支援の報酬や、相談系サービスの処遇改善加算の扱いが今後どうなるかは、改定の内容が示されるまで確定しません。

報酬は相談支援専門員の給料の原資になるため、改定の内容が公表されたら、この記事も更新する予定です。

よくある質問

相談支援専門員の年収・給料について、気になる点をQ&A形式でまとめました。

Q1. 相談支援専門員の手取りはいくらですか?

手取りは、給与から所得税・住民税や社会保険料などを差し引いた額です。

差し引かれる額は扶養家族の有無などによって変わるため、国の調査からは手取りの額はわかりません。

また、調査の平均給与額には、月あたりにならした一時金が含まれています。

一時金を除いた基本給と手当の合計は、常勤で311,970円です(第129表)。

Q2. ケアマネジャーとどちらの給料が高いですか?

国の調査の数字は、ケアマネジャー(常勤)が375,410円(令和6年9月)、相談支援専門員(常勤)が375,810円(令和7年7月)です。

ただし、2つは調査も時点も違います。

また、ケアマネジャーの数字は、介護職員等処遇改善加算を取得している施設・事業所に限った集計で、当時この加算の対象外だった居宅介護支援事業所のケアマネジャーとは対象が異なります。

そのため、どちらが高いと言い切ることはできません。

Q3. 主任相談支援専門員になると給料は上がりますか?

主任相談支援専門員(常勤)の平均給与額は429,860円で、相談支援専門員(常勤)より月54,050円高くなっています(第129表)。

ただし、年齢・勤続年数の違いも含んだ差で、主任になれば必ず上がるとは言えません。

主任相談支援専門員の要件や役割は、別の記事で扱う予定です。

Q4. 相談支援専門員の離職率はどのくらいですか?

相談支援専門員に限った離職率は、確認した範囲の国の資料(障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査、障害者相談支援事業の実施状況等について)では見当たりませんでした。

なお、第129表の平均勤続年数(常勤10.3年)は、令和6年9月と令和7年7月にともに在籍していた人の平均のため、離職の多さ・少なさを示すものではありません。

仕事の大変さや、現場で感じる理想と現実については、相談支援専門員が抱える理想と現実で紹介しています。

Q5. 相談支援専門員として給料を上げるにはどうすればよいですか?

国の調査から読み取れる範囲では、次の点が給料に関係しています。

  • 常勤で働く:常勤は非常勤と比べて、平均給与額が約2.4倍、1か月の実労働時間が約2.2倍です。
  • 主任相談支援専門員を目指す:平均給与額は相談支援専門員より高くなっています(年齢・勤続年数の違いも含んだ差です)。
  • 処遇改善加算を算定している職場か確かめる:令和8年6月から、相談系のサービスでも算定できるようになりました。

職場を選ぶときは、給料だけでなく、担当件数や働き方も含めて考えることが大切です。

まとめ

相談支援専門員の年収・給料について、国の調査の数字と読み方、給料の仕組み、処遇改善加算の新設をご説明しました。

要点は次のとおりです。

  • 平均給与額は常勤で月375,810円、非常勤で月155,130円です(令和7年7月)。月額を12倍した当サイトの試算では、常勤の年収の目安は約451万円です。
  • 平均給与額は続けて在籍した人の平均で、一時金を含み、手取りではありません。
  • 給料の原資は主に報酬で、計画相談支援の事業所の収支差率は3.3%(令和6年度決算、補助金収入を含めない値)です。
  • 令和8年6月から、相談系のサービスに処遇改善加算(加算率5.1%)が新設されました。給料への反映は事業所ごとに異なります。
  • 相談支援専門員は令和7年4月時点で29,821人と、10年でおよそ1.9倍になっています。

相談支援専門員の仕事内容や働く場所は相談支援専門員とはで、なるための要件は相談支援専門員の資格でご説明しています。

報酬や加算は令和9年度の改定で変わる可能性があるため、最新の情報は厚生労働省の資料でご確認ください。

参考資料

本記事で参照した厚生労働省・こども家庭庁の資料は次のとおりです。

※ 本記事は行政書士 横関のプロフィールが運営する障がいビズが発信しています。

よこぜき行政書士事務所