
はじめに

うつ病などで休職していると、主治医や勤務先から復職の準備をすすめられ、就労移行支援や自立訓練の事業所が案内する「リワーク」を目にすることがあります。
就労移行支援などの障害福祉サービスは、一般企業などで働いている方が、休職中に復職のために使える場合があります。
ただし、誰でも使えるわけではなく、国の通知が定める条件を満たし、市区町村が支給決定した場合に限られます。
制度上は「一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用」のうちの「復職支援型」と呼ばれ、事業所によっては「リワーク」の名前で案内しています。
本記事では、休職中に就労移行支援・自立訓練を使う仕組みについて、条件・書類・期間・費用・手続きの流れを、厚生労働省の通知に沿って分かりやすくご説明したいと思います。
休職中のご本人やご家族のほか、書類の作成を頼まれた勤務先の人事担当者や相談支援専門員の方にも参考にしていただける内容です。
なお、利用するかどうか、いつから通い始めるかは、主治医と相談して決めることになります。
医療機関や地域障害者職業センターのリワークを含めた全体像は、リワークの5つの種類と使うまでの流れでご説明しています。
休職中の就労移行支援(復職支援型)とは?
復職支援型は、休職中の障がいのある方が、復職のために就労移行支援などを一時的に利用する仕組みです。
法律上は、一般企業などに雇用されている障がいのある方が、就労系の障害福祉サービスを一時的に使える仕組みの一つに位置づけられています。
利用できるのは、3つの条件をいずれも満たし、市区町村が支給決定した場合です。
ここでは、法律上の位置づけ、目的と支援の中身、使えるサービスの種類を順にご説明します。
法律上の位置づけ(令和6年4月施行)
令和4年の障害者総合支援法の改正で、一般就労中の障がいのある方も、就労系障害福祉サービスを一時的に利用できることになりました(令和6年4月1日施行。厚生労働省「一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用(復職支援)について」社会保障審議会障害者部会 第159回 資料3)。
障害者総合支援法は、就労移行支援と就労継続支援の対象に、次の人を加えています。
通常の事業所に雇用されている障害者であって主務省令で定める事由により当該事業所での就労に必要な知識及び能力の向上のための支援を一時的に必要とするもの
この規定は、就労移行支援が障害者総合支援法第5条第14項、就労継続支援が第15項にあります(e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)。
厚生労働省の「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」(最終改正 令和8年7月)は、この「一時的に必要とするもの」を、新たに雇用された後に労働時間を延ばすときや、休職から復職するときに、支援を一時的に必要とする人と説明しています。
国の資料は、一時的な利用を次の3つの類型に整理しています(第159回資料3)。
- 労働時間延長支援型:企業などでの働き始めに、おおむね週10時間以上20時間未満から段階的に労働時間を延ばそうとする場合
- 復職支援型:休職からの復職を目指す場合
- 短時間型(就労移行支援短時間型・就労継続支援短時間型):おおむね週10時間未満の労働時間で一般就労へ移行した場合
復職支援型の条件や書類は、厚生労働省の「就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について」(平成19年4月2日 障障発第0402001号、最終改正 令和7年3月31日。以下「留意事項通知」)の1(1)②イに定められています。
休職期間中の復職支援としての利用は、以前から運用されてきたものです。
令和6年4月施行の法改正は、この運用を法令上明確にしたもので、従来との大きな違いは、利用期間を企業の定める休職期間の終了まで(上限2年)としたことだとされています(厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1」(令和6年3月29日)問53)。
あわせて、平成29年度のQ&Aの問12(就労系障害福祉サービスの休職期間中の利用)は削除されました(同 問52)。
なお、令和9年度の報酬改定に向けた議論では、一般就労に向けた支援と復職に向けた支援は性質が異なるとして、復職支援を就労移行支援体制加算とは別の形で評価することが、検討の方向性(案)として示されています(厚生労働省「就労系サービスに係る報酬・基準について≪論点等≫」第64回 障害福祉報酬改定検討チーム資料(令和8年9月28日)論点1)。
運用は今後見直される可能性があるため、最新の情報は厚生労働省や市区町村で確認してください。
目的と支援の中身

留意事項通知は、復職支援型の目的を次のように定めています。
復職に必要な生活リズムの確立、体力や集中力の回復、主治医や産業医との連携等を通じ、円滑な職場復帰を目指すことを目的とする。
国の資料は、支援のイメージとして、次のような進め方を示しています(第159回資料3)。
- 通所の頻度を段階的に増やし、復職に必要な生活リズムをつくる
- 生産活動の機会などを使い、体力や集中力を高め、復職後の業務に必要なスキルや対処方法を身につける訓練を行う
- 支援の進み具合を勤務先や医療機関と共有し、勤務先の復職の手順に沿って進める
同じ資料は、利用の例として2つのケースを挙げています。
1つは、主治医から復職に向けた訓練は認められたものの、生活リズムにまだ波がある精神障がいの方です。
もう1つは、働いている間に受障して休職中の高次脳機能障がいの方で、復職後の業務に向けた訓練や、メモの取り方などの対処の練習が必要な例です。
国の資料の例には、精神疾患のある方だけでなく、高次脳機能障がいの方も含まれています。
どのくらいの頻度で通うか、どんな訓練をするかは、本人の状態や、事業所が作る個別支援計画によって異なります。
使えるサービス(就労移行支援・A型・B型・自立訓練・生活介護)
復職支援型は、就労移行支援のほか、就労継続支援A型・B型でも同じ取扱いとされています(留意事項通知1(2)②イ、1(3)③イ)。
自立訓練や生活介護を復職支援として使う場合も、就労移行支援などと同じ3つの条件を確認できた場合にのみ、支給決定を行って差し支えないとされています(令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1 問54)。
条件の確認にも、同様の3つの書類を使います(同)。
市区町村の案内では、対象となるサービスの示し方に違いがあります。
- 練馬区:就労移行支援・就労継続支援・自立訓練・生活介護
- 江戸川区:就労移行支援事業、自立訓練等
自立訓練(生活訓練)の事業所が「リワーク」の名前で案内している支援も、休職中に復職支援として使うときは、同じ条件の確認が必要です。
なお、就労継続支援B型を新たに利用する場合は、原則として就労選択支援を先に利用する仕組みがあります(厚生労働省「就労選択支援の実施について」1(2))。
事務処理要領は、B型の対象者のうち、就労選択支援のアセスメントを経て利用する人と、休職からの復職などのために一時的に利用する人を、別の項目に分けて定めています(事務処理要領 第2のⅠの5(16)イ)。
復職支援型としてB型を使う場合に、就労選択支援を先に利用する必要があるかは、市区町村に確認してください。
休職中に就労移行支援を使うための3つの条件

留意事項通知は、次の3つの条件をいずれも満たした場合に、休職中の方が就労系障害福祉サービスを利用できるとしています。
このうち①と②は、勤務先・主治医・相談支援事業所が作る書類で確認され、③は市区町村が判断します。
まず全体を表で整理し、そのあと1つずつご説明します。
| 条件 | 判断・確認する人 | 確認の方法 |
|---|---|---|
| ① 勤務先・地域の就労支援機関・医療機関などによる復職支援が見込めない、または困難 | 勤務先・主治医・相談支援事業所(セルフプランの場合は申請者が作成し、市町村が地域の実施状況を調べる) | 3つの書類 |
| ② 本人が復職を希望し、勤務先と休職に係る診断をした主治医が、このサービスによる復職支援を受けて復職することが適当と判断 | 本人・勤務先・主治医 | 勤務先と主治医の書類 |
| ③ このサービスによって、より効果的に復職につなげられる | 市区町村 | 書類や地域の支援の状況をもとに判断 |
条件① 勤務先・地域の機関・医療機関による復職支援が見込めない、または困難

1つ目の条件は、留意事項通知で次のように定められています。
当該休職者を雇用する企業、地域における就労支援機関や医療機関等による復職支援の実施が見込めない又は困難である場合
令和6年10月25日の厚生労働省の事務連絡「一般就労している障害者が休職からの復職を目指す場合の就労系障害福祉サービスの利用に係る考え方について」は、「見込めない」「困難」に当たる例として、次の4つを挙げています。
- 地域で復職支援を行う就労支援機関や医療機関が多くの利用者を抱えていて、支援を受けるまでに一定の時間がかかることが見込まれる、または十分な頻度で支援を受けられない
- 自宅などから就労支援機関や医療機関への通所に時間がかかり、本人に過度な負担が生じる
- 勤務先や地域の機関が行う復職支援の内容が、本人の障がいや希望などに合わない
- 地域障害者職業センターの復職支援(リワーク支援)の対象外となる
リワーク支援の対象外となる場合として、同じ事務連絡は「公務員である場合」と、本人・勤務先・主治医がリワーク支援の実施内容などに同意しない場合を挙げています。
勤務先にリワーク制度がある場合も、その内容が本人の障がいや希望に合わないときは、3つ目の例に当たることがあります。
この条件があるため、復職支援型は、ほかの機関による復職支援が見込めない、または難しいときに使う仕組みです。
地域障害者職業センターのリワーク支援はリワーク支援の対象者・期間・費用で、医療機関のリワークはリワークデイケアの費用と利用の流れでご説明しています。
条件② 本人の復職希望と、勤務先・主治医の判断

2つ目の条件は、次のとおりです。
休職中の障害者本人が復職を希望し、企業及び休職に係る診断をした主治医が、就労系障害福祉サービスによる復職支援を受けることにより復職することが適当と判断している場合
判断する主治医は、「休職に係る診断をした主治医」とされています。
本人の希望だけでなく、勤務先と主治医の両方の判断が、書類で確認されます。
復職できる状態かどうか、いつから通所を始めるかは、主治医の医学的な判断に関わるため、本記事では扱いません。
また、この条件は本人が復職を希望していることを含むため、今の勤務先に戻らず転職を目指す場合は、この仕組みの前提とは異なります。
条件③ 市区町村の判断と「障がい」の確認
3つ目の条件は、次のとおりです。
休職中の障害者にとって、就労系障害福祉サービスを実施することにより、より効果的に復職につなげることが可能であると市区町村が判断した場合
支給決定は、申請されたサービスの利用を公費で助成するかどうかを判断するもので、特定の事業所からサービスを受けるよう決めるものではありません(事務処理要領 第2のⅠの1)。
事業所が「休職中も利用できます」と案内していても、利用できるかどうかは市区町村の支給決定によって決まります。
支給決定にあたっては、申請した方が障害者総合支援法の対象となる障がいのある方かどうかも確認されます(令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1 問52)。
確認の方法は、障がいの種類によって異なります(事務処理要領 第2のⅠの2(3))。
- 身体障がい:身体障害者手帳
- 知的障がい:療育手帳。療育手帳がない場合は、市町村が必要に応じて知的障害者更生相談所に意見を求めて確認
- 精神障がい:精神障害者保健福祉手帳、精神障害を事由とする年金を現に受けていることを証明する書類、自立支援医療受給者証(精神通院医療に限る。)、医師の診断書など
- 難病等:医師の診断書、特定医療費(指定難病)受給者証など
手帳がなくても利用できる場合がありますが、障がいの種類に応じた確認と、市区町村の支給決定が必要です。
必要な3つの書類と、誰が作るか

条件①と②に当たるかどうかは、3つの書類で確認すると定められています(留意事項通知1(1)②イc)。
書類を作るのは、勤務先・主治医と、相談支援事業所(セルフプランの場合は申請者)です。
ここでは、それぞれの書類の中身と、セルフプランの場合の扱いをご説明します。
勤務先・主治医・相談支援事業所の書類
留意事項通知が定める3つの書類は、次のとおりです。
| 書類 | 作る人 | 示す内容 |
|---|---|---|
| ⅰ 雇用先企業からの資料 | 勤務先 | 企業による復職支援の実施が困難であり、このサービスによる復職支援を受けて復職することが適当と判断していること |
| ⅱ 休職に係る診断をした主治医からの資料 | 主治医 | 主治医の属する医療機関による復職支援の実施が困難であり、同じく適当と判断していること |
| ⅲ 相談支援事業所(申請者)からの資料 | 相談支援事業所(セルフプランの場合は申請者) | 障害者職業センター等による復職支援の利用が困難であることや、地域の医療機関による復職支援が見込めないこと |
ⅲの書類について、令和6年10月25日の事務連絡は、地域障害者職業センターは「リワーク支援の利用が困難であることを示す書類」の作成依頼を受け付けておらず、リワーク支援の混雑状況だけを回答しているとしています。
そのため市区町村は、相談支援事業所がセンターから聞き取った内容をもとに作った書類で判断することとされています(同事務連絡)。
市区町村の中には、書類の参考様式を公開しているところがあります。
- 江戸川区:雇用先企業・主治医・相談支援事業所等の3種類の参考様式
- 練馬区:企業用・医療機関用の「障害福祉サービスの利用に関する同意書」
- 大田区:「就労系障害福祉サービスの利用に係る意見書」(雇用先企業・主治医・相談支援事業所関係)
様式の名前や提出先は市区町村ごとに異なるため、申請の前に、お住まいの市区町村の障害福祉の窓口で確認してください。
なお、令和6年3月31日以前に支給決定を受けて利用している方は、令和6年4月以降の受給者証の更新の際に、同様の書類で条件を確認したうえで更新するとされています(留意事項通知)。
書類ⅲを作る相談支援事業所の役割と、サービス等利用計画案を作る計画相談支援の流れは、それぞれの解説記事でご説明しています。
セルフプランの場合
障害福祉サービスの申請では、相談支援事業所が作るサービス等利用計画案の代わりに、本人などが作る計画案(セルフプラン)を出すこともできます(事務処理要領)。
セルフプランの場合、ⅲの書類は申請者が作ります。
この場合、市町村が、地域の就労支援機関や医療機関による復職支援の実施状況などを調べたうえで、支給決定するかどうかを判断することとされています(留意事項通知)。
職業センターや地域の医療機関の状況を本人が確かめるのは、休職中には負担になることもあります。
セルフプランにするか、相談支援事業所に計画案の作成を頼むかも含めて、市区町村の窓口で確認しておくとよいでしょう。
期間と費用|支給決定は6か月以内ごと、利用は上限2年
復職支援型の期間には、1回の支給決定の期間と、通算して利用できる期間の2つがあります。
費用は、障害福祉サービスの利用者負担の仕組みで決まります。
休職中の給与や健康保険の傷病手当金は、この制度とは別の仕組みのため、確認先が異なります。
支給決定期間と利用期間の違い

留意事項通知は、期間を次のように定めています。
支給決定期間は、1か月から6か月までの範囲内で月を単位として定めること。利用期間については、企業の定める休職期間の終了までの期間(上限2年)とする。
事務処理要領も、休職からの復職のために一時的に利用する場合の支給決定の有効期間を、6か月の範囲内としています。
| 期間 | 内容 |
|---|---|
| 支給決定期間 | 1か月から6か月の範囲で、市区町村が月単位で定める。続けて使うには改めて支給決定を受ける |
| 利用期間 | 勤務先が定める休職期間の終わりまで。上限は2年 |
1回の支給決定は最長6か月のため、休職期間が長い場合は、途中で支給決定を受け直しながら利用することになります。
利用できる期間の終わりは休職期間の終わりで決まるため、休職期間の残りが短い場合は、利用できる期間も短くなります。
勤務先が定める休職期間は、就業規則などで確認しておく必要があります。
利用者負担

障害福祉サービスの利用者負担は、原則としてサービス費用の1割で、所得に応じた月額の上限があります(厚生労働省「障害者の利用者負担」)。
| 区分 | 世帯の状況 | 月額の上限 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護を受けている世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税が非課税の世帯 | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税が課税の世帯で、所得割が16万円未満(収入がおおむね670万円以下の世帯)。入所施設の利用者(20歳以上)とグループホームの利用者を除く | 9,300円 |
| 一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
18歳以上の方の場合、所得を判断する世帯の範囲は、原則として本人と配偶者です。
上限の区分は、サービスを利用した月の属する年度(4月から6月までは前年度)の市町村民税の課税状況で判定されます(障害者総合支援法施行令第17条)。
休職で収入が減った場合に、それが判定にいつ反映されるかは、市区町村で確認してください。
このほか、食事などの実費がかかる場合があります。
医療機関や職業センターのリワークも含めた費用の比較は、別の記事で扱う予定です。
休職中の給与・傷病手当金
休職中に給与が支払われるかどうかは、勤務先の就業規則などによって異なります。
健康保険の傷病手当金を受けている方が、就労移行支援などに通う場合の扱いは、加入している医療保険の保険者が判断します。
本記事では、個別の受給の可否は扱いません。
確認先は、勤務先の人事担当者と、加入している医療保険の保険者(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合など)です。
利用までの6ステップと復職後の支援
復職支援型を使うには、本人・勤務先・主治医・相談支援事業所・市区町村が関わるため、相談する順番を知っておくと準備が進めやすくなります。
ここでは、相談から利用開始までの流れと、復職した後に受けられる支援をご説明します。
相談から利用開始までの6ステップ


手順や書類の集め方は市区町村によって異なりますが、国の通知の内容から、おおまかな流れは次のように整理できます。
- 主治医に相談する:通所を始める時期や、このサービスによる復職支援が適当かどうかは、主治医の判断に関わります。主治医の書類も必要になります。
- 勤務先に相談する:人事担当者や産業医に、休職期間の終わり、社内の復職支援の有無、勤務先の書類の作成について確認します。
- 職業センターや医療機関のリワークを使えるか確かめる:条件①に関わるため、相談支援事業所がセンターの混雑状況などを聞き取ります。セルフプランの場合は、市町村が地域の状況を調べます。
- 事業所を見学・体験する:復職支援に対応しているか、勤務先や主治医とどのように連携するかを確かめます。
- 市区町村に申請する:申請書、サービス等利用計画案(またはセルフプラン)、3つの書類を出します。
- 支給決定を受け、事業所と契約する:障害福祉サービス受給者証が交付されたら、事業所と契約して利用を始めます。
申請の窓口は、障がいの種類によって分かれていることがあります(練馬区の場合、身体障がい・知的障がいのある方と難病の方は総合福祉事務所、精神障がいのある方は保健相談所)。
順番は前後することがあり、市区町村によっては、まず窓口に問い合わせるよう案内しています(江戸川区は、休職中に利用する場合は「まずは担当にお問い合わせください」としています)。
国の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が示す、休職から復職までの5つのステップは、リワークの解説記事でご説明しています。
復職した後の支援(6か月の定着支援と就労定着支援)

国の資料は、復職した後の支援の流れを、イメージ図で次のように示しています(第159回資料3)。
- 復職した日から6か月間:利用していた事業所による定着支援(職場訪問や終業後の通所などによる相談)
- 6か月を経過した後:就労定着支援(最大3年間)
事務処理要領も、休職からの復職のために一時的に利用した場合に就労定着支援の対象になるのは、復職した日から起算して6か月を経過した方としています。
就労定着支援も、市区町村の支給決定を受けて利用するサービスです。
復職した後の相談先には、障害者就業・生活支援センターもあります。
よくある質問

休職中に就労移行支援などを使うことについて、5つの質問にお答えします。
Q1. 就労移行支援とリワークの違いは何ですか?
「リワーク」は、休職中の方の職場復帰を支援する取り組みの総称で、医療機関・地域障害者職業センター・勤務先・障害福祉サービスの事業所など、さまざまな機関が行っています。
就労移行支援の事業所が「リワーク」として案内している支援を休職中に使う場合は、本記事でご説明した復職支援型として支給決定を受けることになります。
実施する機関によって、費用の出どころや利用を判断する人が異なります。
5つの実施機関の違いは、リワークの5つの種類の解説記事で比べています。
Q2. 公務員でも使えますか?
地域障害者職業センターのリワーク支援は、国や地方公共団体などとその職員は対象外とされています(JEED 東京障害者職業センター「リワーク支援」)。
令和6年10月25日の事務連絡は、条件①の例である「リワーク支援の対象外となる場合」の一つに、「公務員である場合」を挙げています。
ただし、復職支援型を使えるかどうかは、ほかの条件も含めて市区町村が判断します。
あわせて、所属先の人事担当部署に、職員向けの復職の制度があるかを確認しておくとよいでしょう。
Q3. 会社に知らせずに使えますか?
復職支援型では、勤務先が作る書類で条件①と②を確認するため、勤務先に利用を伝えることが前提になります。
利用中も、支援の進み具合を勤務先と共有しながら進めることが想定されています(第159回資料3)。
Q4. 復職ではなく、転職を考えている場合はどうなりますか?
復職支援型は、本人が復職を希望していることを条件にしているため、転職を目指す場合は、この仕組みの前提とは異なります。
退職した後に就労移行支援を使う場合は、一般就労を目指す方として、改めて市区町村の支給決定を受けることになります。
復職か転職かで迷っている場合は、主治医や相談支援専門員、市区町村の窓口と、今の状況で使える支援を確認しておくとよいでしょう。
休職期間が終わるときの扱いは、勤務先の就業規則などで確認してください。
Q5. 自立訓練(生活訓練)の「リワーク」も同じ条件ですか?
同じ条件です。
自立訓練や生活介護を復職支援として使う場合も、就労移行支援などと同じ3つの条件を確認できた場合にのみ、支給決定を行って差し支えないとされています(令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1 問54)。
条件の確認にも、同様の3つの書類を使います(同)。
Q&Aが示しているのは、条件と書類の扱いです。
自立訓練・生活介護を復職支援として使う場合の利用期間などは、市区町村に確認してください。
まとめ

休職中に就労移行支援などを使う「復職支援型」は、条件を満たし、市区町村が支給決定した場合に利用できる仕組みです。
本記事の要点は次のとおりです。
- 復職支援型は、休職中の障がいのある方が、復職のために就労移行支援・就労継続支援を一時的に使う仕組みです(令和6年4月施行)。自立訓練・生活介護も、同じ条件を確認できれば支給決定できるとされています。
- 条件は、①勤務先・地域の機関・医療機関による復職支援が見込めない、または困難、②本人が復職を希望し、勤務先と休職に係る診断をした主治医が適当と判断、③市区町村がより効果的に復職につなげられると判断、の3つです。
- 書類は、勤務先・主治医・相談支援事業所(セルフプランの場合は申請者)の3つです。地域障害者職業センターは書類を作らず、相談支援事業所が聞き取って作ります。
- 就労移行支援・就労継続支援の場合、支給決定期間は1か月から6か月、利用期間は勤務先の休職期間の終わりまでで、上限は2年です。
- 利用者負担は原則1割で、所得に応じた月額の上限があります。
- 復職した後は、6か月間の事業所による定着支援を経て、就労定着支援の対象になります。
まずは主治医と勤務先に相談し、条件や書類の様式は、お住まいの市区町村の障害福祉の窓口で確認してください。
本記事の内容は、令和8年11月5日時点で確認した国の通知・資料に基づいています。

参考資料
- 厚生労働省「一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用(復職支援)について」(社会保障審議会障害者部会 第159回 資料3、令和8年9月17日)
- 厚生労働省「就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について」(平成19年4月2日 障障発第0402001号、令和7年3月31日改正。大田区掲載)
- 厚生労働省 事務連絡「一般就労している障害者が休職からの復職を目指す場合の就労系障害福祉サービスの利用に係る考え方について」(令和6年10月25日。大田区掲載)
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1」(令和6年3月29日)問52〜問54
- 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」(最終改正 令和8年7月)
- 厚生労働省「就労選択支援の実施について」(令和7年3月31日 障障発0331第3号)
- 厚生労働省「就労系サービスに係る報酬・基準について≪論点等≫」(第64回 障害福祉報酬改定検討チーム資料、令和8年9月28日)
- 厚生労働省「障害者の利用者負担」
- e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」
- e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行令」
- JEED 東京障害者職業センター「リワーク支援(メンタルヘルス不調により休職している方の職場復帰)」
- 練馬区「休職中の方の障害福祉サービスの利用について」
- 江戸川区「休職中に障害福祉サービスを利用される方へ」
- 大田区「一般就労中における就労系障害福祉サービスの一時的な利用について」
※ 本記事は行政書士 横関のプロフィールが運営する障がいビズが発信しています。
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