はじめに

うつ病などで休職して通院を続けていると、主治医や勤務先から「リワーク」という言葉を聞くことがあります。

リワークには、医療機関、地域障害者職業センター、障害福祉サービスの事業所など、いくつかの実施主体があり、費用の出どころや利用を判断する人がそれぞれ違います(全体像はリワークとは?5つの種類と期間・費用・使うまでの流れで解説しています)。

本記事では、そのうち医療機関で行われるリワーク(医療リワーク・リワークデイケア)を取り上げます。

精神科デイケアとの違い、費用と自立支援医療、利用までの流れを、厚生労働省などの資料をもとにご説明したいと思います。

なお、参加してよいかどうかや始める時期は、病状をみている主治医が判断することです。

この記事は、制度の仕組みを知り、主治医やご家族と話し合うための材料としてお読みください。

医療リワーク(リワークデイケア)とは?

医療リワークは、精神科などの医療機関が、休職中の方の職場復帰に向けて治療として行うリハビリテーションのプログラムです。

医療機関では、精神科デイ・ケアなどの診療報酬の枠組みを使って行われ、「リワークデイケア」「リワーク準備コース」などの名前で案内されていることがあります。

ここでは、医療リワークの目的、行われる仕組み、実施している機関の種類を順に見ていきます。

治療として行われ、再休職の予防を目指す

リワークは「return to work」の略です(日本うつ病リワーク協会「リワークプログラムとは」)。

日本うつ病リワーク協会(以下「協会」)は、実施する機関によって、リワークを医療リワーク・職リハリワーク・職場リワークの3つに分けています。

協会は、医療リワークを、再休職の予防を最終的な目標として、病状の回復と安定を目指す治療と位置づけています。

復職後にフォローアッププログラムとして参加する場合や、家族や友人、同僚、上司などが参加するプログラムもあると紹介されています(協会)。

これに対して、地域障害者職業センターのリワーク支援(協会のいう職リハリワーク)は、病状を回復させるための治療ではないと説明されています(協会)。

診療報酬の枠組みで、多職種が担当する

医療リワークは、医療機関の外来で、健康保険などの医療保険を使って受ける診療として行われます。

協会は、医療リワークが行われる診療報酬上の枠組みとして、精神科デイケア、精神科ショートケア、精神科デイ・ナイト・ケア、精神科作業療法、通院集団精神療法などを挙げています。

担当するのは、医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、心理職などの多職種です(協会)。

プログラムの内容や1日の時間割は、医療機関ごとに異なります。

精神保健福祉センターでも行われている

医療リワークは、民間のクリニックや病院だけでなく、自治体の精神保健福祉センターでも行われています。

例えば、東京都立中部総合精神保健福祉センター、埼玉県立精神保健福祉センター、仙台市精神保健福祉総合センター(はあとぽーと仙台)は、復職を目指す方向けのデイケアを行っています。

いずれも保険診療として行われているため、公的な機関であっても医療費の自己負担がかかります。

精神科デイケアとリワークの違い

リワークデイケアと精神科デイケアの違いは、「治療の形」と「プログラムの目的」に分けて考えると整理しやすくなります。

精神科デイ・ケアは診療報酬で定められた治療の形で、リワークデイケアは、その枠組みの中で職場復帰に目的をしぼったプログラムです。

ここでは、国の通知が定める精神科デイ・ケアの内容と、リワークとの関係を順に見ていきます。

精神科デイ・ケアは、診療報酬で定められた治療の形

精神科デイ・ケアは、診療報酬の点数表(厚生労働省告示)に定められた精神科専門療法の一つです。

国の通知は、精神科デイ・ケアを次のように定めています(厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)」令和8年3月5日 保医発0305第6号)。

精神疾患を有するものの社会生活機能の回復を目的として個々の患者に応じたプログラムに従ってグループごとに治療するもの

実施時間は、患者1人あたり1日6時間が標準です(同通知)。

同じ通知では、時間の長さなどによって、次の種類が定められています。

種類1日の実施時間の標準
精神科ショート・ケア3時間
精神科デイ・ケア6時間
精神科ナイト・ケア4時間(開始は午後4時以降)
精神科デイ・ナイト・ケア10時間

いずれも、施設基準に適合しているとして地方厚生局長等に届け出た医療機関で行われるものです(告示)。

精神科デイ・ケアの目的は「社会生活機能の回復」と幅広く定められており、医療機関によって、さまざまな目的のプログラムが行われています。

リワークは、その中で復職に目的をしぼったプログラム

リワークデイケアは、こうした精神科デイ・ケアやショート・ケアの枠組みを使い、プログラムの目的を職場復帰と再休職の予防にしぼったものです。

例えば、東京都立中部総合精神保健福祉センターの精神科デイケアには、復職コース(リワーク)・就労コース・進学・復学コースがあります(東京都立中部総合精神保健福祉センター「精神科デイケアの利用について」)。

復職コース(リワーク)では、「通勤訓練、職能回復訓練、再発予防のための知識習得の3要素から構成される『復職リハビリテーション』」が行われています。

仙台市のリワーク準備コースは、心理教育、集団認知行動療法、コミュニケーション、復職プラン作り、セルフケアなどで構成されています(仙台市「精神科デイケア『リワーク準備コース』」)。

埼玉県立精神保健福祉センターの復職支援コース(リワーク)では、1日利用のデイ・ケアと、半日利用のショート・ケアから選べます(埼玉県「4 復職支援コース(リワーク)」)。

違いを表で整理

ここまでの内容を、当サイトで表にまとめると次のとおりです。

項目精神科デイ・ケアリワークデイケア
位置づけ診療報酬の点数表に定められた精神科専門療法精神科デイ・ケアなどの枠組みで行われる、復職のためのプログラム
目的精神疾患のある方の社会生活機能の回復(国の通知)職場復帰と再休職の予防(協会)
対象精神疾患のある方(国の通知の定義)休職中で通院している方など。条件は医療機関ごとに異なる
費用診療報酬の点数で決まり、医療保険の自己負担がある使う枠組み(デイ・ケア、ショート・ケアなど)の点数で決まり、医療保険の自己負担がある

どのような名前で呼び、どの枠組みで行うかは、医療機関によって異なります。

医療リワークの対象と利用の条件

医療リワークの利用条件は、医療機関ごとに定められています。

ここでは、協会が示す一般的な対象と、公的な機関の条件の例、主治医との関係を順にご説明します。

ご自身が条件に当たるかどうかは、利用を考えている医療機関と主治医に確かめることになります。

協会が示す対象

協会は、リワークを、「気分障害などの精神疾患を原因として休職している労働者」に対して行われるプログラムと説明しています。

医療リワークの参加の目安としては、病状がある程度安定して安全に通所できること、基本的には休職中の身分であることが挙げられています(協会)。

病状が安定しているかどうかの判断は、主治医が行います。

条件は医療機関ごとに異なる

公的な機関の案内を見ても、対象となる方の範囲や必要な書類は、それぞれ異なります。

機関(コース名)主な利用条件(案内の要約)主治医との関係
東京都立中部総合精神保健福祉センター(復職コース(リワーク))都内在住または在勤・在学の方。「主にうつ病、統合失調症、知的な遅れのない発達障害、高次脳機能障害の方」。現在所属している企業等に復職を目指す休職中の方、または就労の安定化を目指す在職中の方(年齢制限なし)主治医からデイケア利用の同意が得られることと、現在の通院先の主治医からの診療情報提供書が必要。主治医を同センターの医師に変える必要はない
埼玉県立精神保健福祉センター(復職支援コース(リワーク))精神科(心療内科)に安定して通院・服薬できていること。休職中で、現在の職場への復帰を希望していること(在職中の方が対象)。「うつ病等の気分障害の診断を受けているかた」主治医の許可と、主治医からの診療情報提供書(紹介状)が必要。現在通院している医療機関(主治医)を変える必要はない
仙台市精神保健福祉総合センター(リワーク準備コース)「仙台市内にお住まいがあるか、市内の事業所に勤務し、うつ病やうつ状態で精神科・心療内科に通院している、休職中の方」主治医と相談し、主治医からの紹介状(規定の様式)を提出する。センターの医師の診察がある

出典:東京都立中部総合精神保健福祉センター(2026年5月14日更新)、埼玉県(2026年10月8日掲載)、仙台市(2024年10月1日更新)の各案内

利用の条件や手順は機関ごとに異なるため、見学や説明会の際に確かめておくと安心です。

主治医を変える必要はあるか

医療リワークを別の医療機関で受けるとき、今の主治医を変える必要があるかどうかは、医療機関によって扱いが異なります。

東京都立中部総合精神保健福祉センターは「主治医を当センターの医師に変更する必要はありません」と案内しています。

埼玉県立精神保健福祉センターも、現在通院している医療機関(主治医)を変更する必要はないとしています。

どちらも、主治医の同意(許可)と診療情報提供書(紹介状)を求めています。

今回確認した3つの機関では、いずれも利用の前に、その機関の医師の診察があります。

通院先を移すかどうかは、主治医と相談して決めることになります。

医療リワークの費用|健康保険と自立支援医療

医療リワークの自己負担は、使う診療報酬の項目、医療保険の負担割合、自立支援医療を使うかどうかによって変わります。

ここでは、1日の医療費、自立支援医療(精神通院医療)、手続きの注意点、医療費以外の費用の順に見ていきます。

示す金額は制度上の計算の例で、実際の請求額は医療機関で確かめる必要があります。

1日の医療費は診療報酬の点数で決まる

医療リワークの医療費は、精神科デイ・ケアなどの診療報酬の点数で決まり、1点を10円として計算します(告示・通知)。

令和8年度の点数表(令和8年6月1日施行)では、1日あたりの点数は次のとおりです。

種類(1日につき)小規模なもの大規模なもの
精神科ショート・ケア275点330点
精神科デイ・ケア590点700点

出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)医科点数表。精神科ナイト・ケアは540点、精神科デイ・ナイト・ケアは1,000点

例えば、大規模な精神科デイ・ケアの700点は7,000円で、自己負担が3割なら1日2,100円、1割なら700円です。

厚生労働省の自立支援医療の案内にも、医療費が7,000円で医療保険の自己負担が2,100円の場合に、自己負担を700円に軽減する例が示されています。

精神科ショート・ケアや精神科デイ・ケアなどのいずれかを最初に算定した日から1年以内は、早期加算(デイ・ケアは50点、ショート・ケアは20点)が加わることがあり、請求額は加算や同じ日の診察などでも変わります。

仮に週4日(月16日)通うと、医療費は月11万2,000円、3割負担で3万3,600円、1割負担で1万1,200円です(加算や診察料を含まない単純計算)。

自立支援医療(精神通院医療)で原則1割に

自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患の通院医療の自己負担を軽くする公費負担医療の制度です。

対象は「病院又は診療所に入院しないで行われる医療(外来、外来での投薬、デイ・ケア、訪問看護等が含まれます)」です(厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」)。

自己負担は原則1割で、世帯の所得に応じて1か月の上限額が決まります。

所得区分世帯の状況月額上限「重度かつ継続」に当たる場合
生活保護生活保護を受けている世帯0円0円
低所得1市町村民税非課税で、受給者の収入が一定額以下2,500円2,500円
低所得2市町村民税非課税で、低所得1に当たらない5,000円5,000円
中間所得1市町村民税(所得割)3万3,000円未満医療保険の自己負担限度額5,000円
中間所得2市町村民税(所得割)3万3,000円以上23万5,000円未満医療保険の自己負担限度額1万円
一定所得以上市町村民税(所得割)23万5,000円以上自立支援医療の対象外2万円(令和9年3月31日までの経過的特例)

出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」をもとに当サイトで作成

低所得1の収入の基準は、障害基礎年金2級の額に合わせて見直されており、令和8年7月から12月の利用分は、年収約82万6,500円以下が基準です(厚生労働省「自立支援医療等における利用者負担区分の見直しについて」社会保障審議会障害者部会(第154回)参考資料8)。

ここでいう「世帯」は、通院する方と同じ健康保険などの公的医療保険に加入している方を指します(厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」)。

「重度かつ継続」は、医療費が高額な治療を長期間続ける必要がある方の区分で、1か月の上限額が低くなります(同資料)。

対象には、医療保険の「多数該当」の方(直近1年間に高額療養費の支給を4回以上受けた方)のほか、統合失調症(F2)や気分障害(F3。例:うつ病、躁うつ病)など、ICD-10で分類される一部の精神疾患の方が含まれます(同資料)。

3年以上精神医療を経験している医師から、「情動及び行動の障害又は不安及び不穏状態を示すことから入院によらない計画的かつ集中的な精神医療」が続けて必要と判断された方も対象です(同資料)。

当たる場合は診断書の様式が異なることもあるため、申請の際に市区町村の窓口で確かめる必要があります(同資料)。

一定所得以上で「重度かつ継続」に当たる方は、障害者総合支援法施行令により、令和9年3月31日まで自立支援医療の対象とされ、上限額は2万円です(愛知県「自立支援医療(精神通院医療)制度について」)。

1割の負担になるのは、指定自立支援医療機関のうち、受給者証に記載された医療機関で受けた医療です。

申請先は市区町村の窓口で、受給者証の有効期間は原則として1年です(厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」)。

別の医療機関で受けるときは、受給者証の手続きを確かめる

今の通院先とは別の医療機関でリワークを受ける場合、自立支援医療の受給者証の手続きが必要になることがあります。

神戸市の案内では、受給者証に記載された医療機関のデイケアを使う場合は、原則として新たな申請は不要とされています(神戸市「自立支援医療(精神通院)よくある質問 一覧」)。

一方、デイケアが医療機関とは別に単独で医療機関コードを持っている場合や、同じ法人でも別の指定医療機関として登録されている場合は、追加の申請が必要とされています(神戸市)。

今の医療機関にデイケアがない場合は、指定医療機関の変更(追加)の申請をします(神戸市)。

医療機関の登録は原則1か所で、2か所の登録は、医療の重複がなく、主治医の指示によるデイケアなどのやむを得ない事情がある場合に限られます(神戸市)。

その場合は、「医療機関追加申請書」と「複数機関が必要であることを記載された診断書」を提出するとされています(神戸市)。

変更・追加が適用されるのは申請を受け付けた日からで、神戸市は「遡及適用にはなりません」としています。

細かな取扱いは自治体によって異なる場合があるため、お住まいの市区町村の窓口で確かめておくと安心です。

対象外の費用と、休職中の収入

自立支援医療で軽くなるのは医療費の自己負担で、厚生労働省の資料は、公的医療保険が対象とならない治療、投薬などの費用を対象外としています。

デイケアに通うための交通費は、医療機関に支払う医療費とは別の費用で、自己負担になります。

休職中の給与や傷病手当金の扱いは、勤務先の就業規則や、加入している健康保険の保険者が判断するため、それぞれに確認することになります。

リワークの費用を、職業センターや障害福祉サービスも含めて比べる内容は、別の記事で扱う予定です。

医療リワークを使うまでの流れ

医療リワークは、主治医との相談から始まり、受け入れる機関での面接・診察・試験的な通所などを経て開始されます。

ここでは、公的な機関の案内をもとに、利用開始までの流れと期間の目安をご説明します。

利用開始までの6つのステップ

東京都・埼玉県・仙台市の案内では、細かな手順は異なるものの、おおむね次の順で進みます。

  1. 主治医に相談する:リワークを利用したいことを伝え、参加してよいか、いつ頃から始めるかの判断を受けます。
  2. リワークを行う機関を探す:主治医に心当たりを聞くほか、協会のウェブサイトの「会員医療リワーク施設情報」や、お住まいの地域の精神保健福祉センターの案内で探すことができます(協会は「医師や病院の紹介は行っておりません」としています)。
  3. 見学・説明会に参加する:東京都と埼玉県は見学、仙台市は来所での説明から始まります。埼玉県は、複数の機関の見学を勧めています。
  4. 紹介状を用意し、面接を受ける:主治医の診療情報提供書(紹介状)を用意し、受け入れる機関の面接を受けます。
  5. 試験的に通い、医師の診察を受ける:東京都では試験通所(概ね2~8週間)の後に医師の診察があり、仙台市では医師の診察の後に2日間の体験通所があります。埼玉県では管理医の診察の後、利用受け入れ会議で受け入れの可否が決まります(体験利用は状況に応じて可能としています)。
  6. 利用を始め、自立支援医療の手続きをする:受給者証の申請や医療機関の追加が必要な場合は、通い始めるまでに済ませておくと安心です。

埼玉県は、申込から利用開始まで1か月程度かかるとしています。

勤務先への伝え方や、復職の判断への生かし方は、主治医と相談しながら、勤務先のルールに沿って決めていくことになります。

職場復帰までの流れの全体は、別の記事で扱う予定です。

期間の目安と休職期間

協会によると、医療リワークの期間は数週間から年単位まで幅があり、平均は3〜7か月ほどです。

仙台市のリワーク準備コースは、原則4か月間・週3日です。

埼玉県は、利用期限を1年間とし、プログラムの構成上、3か月から半年以上の利用を勧めています(休職期間が短い場合も相談できるとしています)。

休職期間の上限は勤務先の就業規則などで定められていることが多いため、残りの期間とリワークの期間が合うかを早めに確かめておくことが大切です。

職業センター・福祉サービスのリワークとの違い

リワークは、医療機関のほかに、地域障害者職業センターや障害福祉サービスの事業所でも行われています。

この3つは、費用の出どころと利用を判断する人がそれぞれ違います。

ここでは、医療機関のリワークの特徴を、ほかの2つと比べて整理します。

目的・費用・利用を判断する人の違い

3つの区分を表にすると、次のとおりです。

区分主な実施機関費用の出どころ利用を判断する人
① 医療機関のリワーク精神科・心療内科の医療機関、精神保健福祉センター医療保険(自己負担あり。自立支援医療(精神通院医療)の対象になる場合がある)主治医(医療機関)
② 職業センターのリワーク支援地域障害者職業センター(JEED)受講料は不要(交通費などは自己負担)本人・勤務先・主治医の3者が支援計画に合意
③ 障害福祉サービスによる復職支援就労移行支援・就労継続支援・自立訓練などの事業所障害福祉サービスの利用者負担(所得に応じた月額上限あり)市区町村(勤務先・主治医などの書類をもとに支給決定)

医療機関のリワークは、治療として行われ、主治医の判断のもとで進む点が、ほかの2つとの大きな違いです。

地域障害者職業センターのリワーク支援は、協会の説明では、病状を回復させるための治療ではなく、公務員は利用できないとされています。

障害福祉サービスによる復職支援は、就労移行支援などの事業所で行われ、市区町村が、勤務先や主治医などの書類をもとに支給決定した場合に利用できます。

どれを使うかは、病状や勤務先の制度、地域にあるサービスなどによって変わるため、本人・主治医・勤務先で話し合って決めることになります。

職業センターのリワーク支援と、障害福祉サービスによる復職支援の詳しい内容は、別の記事で扱う予定です。

5つの区分の全体は、リワークの種類と違いをまとめた記事をご覧ください。

よくある質問

医療リワークについて、検索でよく調べられている質問にお答えします。

ここでの答えは制度の一般的な仕組みで、個別の扱いは医療機関や市区町村で確かめてください。

Q1. リワークは保険がききますか?3割負担ですか?

医療機関のリワークは、精神科デイ・ケアなどの診療報酬の枠組みで行われ、健康保険などの医療保険が使えます(協会)。

自己負担は加入している医療保険の負担割合により、小学校入学後から70歳未満の方は原則3割です。

自立支援医療(精神通院医療)の受給者証があり、受給者証に記載された指定医療機関で受ける場合は原則1割で、世帯の所得に応じた月額の上限があります。

Q2. 公務員も利用できますか?

医療機関のリワークは医療保険の診療で、公務員の方も共済組合などの医療保険を使って受ける仕組みは同じです。

利用の条件は医療機関ごとに定められているため、利用を考えている機関で確かめる必要があります。

なお、協会の説明では、地域障害者職業センターのリワーク支援(職リハリワーク)は、公務員は利用できないとされています。

Q3. 障害者手帳がないと利用できませんか?

今回確認した東京都・埼玉県・仙台市の案内では、利用の条件は通院や主治医の同意(許可)などで、障害者手帳は挙げられていませんでした。

自立支援医療(精神通院医療)も障害者手帳とは別の制度で、国の資料が示す申請書類は、申請書や医師の診断書、所得の状況がわかる書類などです。

条件は医療機関ごとに異なるため、利用を考えている機関の案内で確かめてください。

Q4. 退職した後でも利用できますか?

協会は、医療リワークの参加の目安の一つに、基本的には休職中の身分であることを挙げており、埼玉県と仙台市のリワークも休職中の方を対象としています。

東京都立中部総合精神保健福祉センターの精神科デイケアのように、復職コース(リワーク)とは別に、就労を目指す方のための就労コース(概ね50歳以下)を設けているところもあります。

退職後に就職を目指す場合は、障害福祉サービスの就労移行支援なども選択肢の一つになります(利用には市区町村の支給決定が必要です)。

Q5. 自立支援医療は、リワークを始めてから申請しても使えますか?

始めてからでも申請はできますが、自立支援医療が適用されるのは、申請の手続きをした日以降の医療です。

神戸市の案内では、新規(再開)の申請は、窓口で申請書を受け付けた日から有効期間が始まり、すでに受診した分には遡って適用されないとされています。

医療機関の変更・追加の申請も、申請を受け付けた日からの適用です(神戸市)。

通い始める前に、お住まいの市区町村の窓口で、申請の時期と必要な書類を確かめておくと安心です。

まとめ

医療リワーク(リワークデイケア)は、医療機関が治療として行う、職場復帰と再休職の予防のためのプログラムです。

精神科デイ・ケアなどの診療報酬の枠組みで行われるため、費用は点数で決まり、医療保険の自己負担がかかります。

自立支援医療(精神通院医療)の対象にはデイ・ケアが含まれ、受給者証に記載された指定医療機関で受ければ原則1割になります。

別の医療機関で受けるときは、受給者証の追加の手続きが必要になることがあります。

対象となる方の条件や、主治医を変える必要があるかは医療機関ごとに異なり、参加してよいか・いつ始めるかは主治医が判断します。

まずは主治医と話し合い、利用を考えている機関の案内と、市区町村の自立支援医療の窓口で、条件と手続きを確かめてみてください。

制度は改正される可能性があるため、最新の情報は厚生労働省や各機関の案内でご確認ください。

参考資料

※ 本記事は行政書士 横関のプロフィールが運営する障がいビズが発信しています。

よこぜき行政書士事務所