障がい児の親の仕事|3つの壁と仕事を続けるための制度

はじめに

障がいのある子を育てながら働く親にとって、平日の通院や療育の付き添い、放課後や長期休暇の預け先、子の成長にともなう制度の切り替わりは、仕事の続け方に直結する問題です。

令和7年(2025年)には育児・介護休業法の改正が順に施行され、障がいのある子を介護する場合の判断基準や、事業主向けの指針も見直されました。

本記事では、障がい児の親の仕事について、調査からわかる働き方、両立を難しくする壁、仕事を続けるために使える制度と相談先を、厚生労働省などの一次情報をもとに分かりやすくご説明したいと思います。

障がいのある子を育てる親は、どんな働き方をしているのか

障がいのある子を育てる親は、どんな働き方をしているのか

放課後等デイサービスを利用する子の保護者の調査では、共働き世帯が59.5%で、働いている母親の36.6%が週4日以下で働いています。

ただし、調査の対象によって数字は大きく異なるため、ここでは調査の主体・時期・対象とあわせて整理します。

放課後等デイサービスを利用する家庭では、共働きが約6割

「令和7年度子ども・子育て支援等推進調査研究事業」として、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った調査があります(放課後等デイサービス等における利用ニーズ及び支援提供の実態把握に関する調査研究【報告書】、令和8年3月。こども家庭庁支援局障害児支援課がオブザーバーとして参加)。

放課後等デイサービスを利用する子の保護者8,581人がWebで回答し、93.1%は母親でした。

同居家族のうち働いている人を尋ねた設問(複数回答、8,543人)では、「母親」が70.9%、「父親」が85.0%でした(分母には、母親や父親と同居していない世帯も含みます)。

世帯で見ると、共働きが59.5%、父親のみ就労が25.5%、母親のみ就労が11.4%です。

「週4日以下」で働いている人は、働いている母親6,057人では合わせて36.6%、働いている父親7,258人では合わせて1.6%でした。

放課後等デイサービスの利用を検討し始めたきっかけ・理由として「保護者が働くために必要だったから」を挙げた保護者は39.3%です(複数回答、8,581人)。

事業所を通じて案内したWeb調査で、放課後等デイサービスの利用者に限ったものです。

障がいのある子の親全体に、そのまま当てはまるとは限りません。

調査によって、数字は大きく異なる

ほかにも、厚生労働省の資料や団体の調査があります。

対象が異なるため、数字の水準も大きく異なります。

調査(実施者・時期)対象・回答数主な結果
国民生活基礎調査の特別集計(障害児通所支援の在り方に関する検討会 第2回 参考資料4、令和3年7月5日)6歳以上の末子がいる世帯の母親(推計値)令和元年の就業率は、手助け・見守りが必要な末子がいる母親68%、いない母親79%
令和2年度障害者総合福祉推進事業「障害者支援のあり方に関する調査研究(放課後等デイサービスの在り方)」(PwCコンサルティング、令和3年3月)全国児童発達支援協議会の加盟事業所などを利用する保護者1,495人(Web調査)母親の就労率は、子が0〜3歳で27.7%、10〜12歳で72.0%。働く母親はどの年齢層も6割あまりが非正規
全国医療的ケア児者支援協議会 親の部会(2020年12月調査。厚生労働省の研究会に提出された資料)医療的ケア児者の保護者(Webアンケート)母親は「仕事はしていない」45%、「パート等」25%、「正社員」21%

国民生活基礎調査の特別集計は、6歳以上の末子に「手助け・見守り」が必要かどうかで母親を分けた推計値です(「いない」側にも、兄や姉に手助け・見守りが必要な家庭が含まれ得ると注記されています)。

医療的ケア児者の調査は、医療的ケアが必要な子の家庭に限ったものです。

ひとつの数字を、障がいのある子の親全体の就業率として読まないよう注意が必要です。

「どんな仕事か」は、調査からは分かりにくい

上で紹介した調査で分かるのは、働いているかどうか、働く日数、雇用形態までです。

当サイトでは、障がい児の親の仕事として特定の職種をすすめることはしていません。

子の状態や年齢、家族の状況、地域のサービスによって、確保できる時間が家庭ごとに大きく異なるためです。

次の章からは、「どの時間帯を、何で支えられるか」という観点で見ていきます。

障がい児の育児と仕事の両立を難しくする3つの壁

障がい児の育児と仕事の両立を難しくする3つの壁

障がい児及び医療的ケア児を育てる親の会は、厚生労働省の「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」(第4回、令和5年3月16日)に、アンケート調査結果の報告書(概要版)を提出しています。

調査は、新聞社・通信社などに勤める人を対象に2021年11〜12月に行われたもので、回答260件のうち51件が当事者(障がい児や医療的ケア児の親)でした。

当事者の回答のうち、両立の悩み(複数回答)で「自分や配偶者が倒れたときに家庭が回らなくなる」を挙げた人は54.9%です。

ここでは、両立を難しくする壁を3つに分けて整理します。

平日の通院・療育・送迎

同じ調査では、「平日に子どもを病院や療育施設等へ連れていくためたびたび仕事を休んだり抜けたりしなければならない」が45.1%で、女性に限ると7割を超えていたと報告されています(女性の当事者は14人)。

療育や通院の予定が平日の日中に入ると、そのたびに休暇や中抜けが必要になります。

前述の放課後等デイサービスの調査でも、現在よく利用している事業所を利用しようと思った理由に「自宅や学校まで送迎をしてもらえたから」を挙げた保護者が62.5%でした(最大5つまで選択、8,581人)。

放課後と長期休暇の預け先

放課後等デイサービスは、学校の授業の終了後や休業日に通うサービスです。

前述の調査で回答した事業所1,801か所のうち、延長支援を行っているのは75.3%でした。

延長支援加算を算定している事業所1,206か所では、87.4%が延長支援の必要な主な理由に「保護者の就労」を挙げています(複数回答)。

一方、事業所への不満を尋ねた自由記述(「やや不満」「不満」と答えた保護者が対象)には、夏休みや冬休みなど学校が休みの間は利用時間が短く、仕事を休んだり早退したりしなければならないという趣旨の声がありました。

利用時間が9時〜17時のため遅刻や早退が避けられず、フルタイムで働くのが難しいという趣旨の声もあります。

放課後や長期休暇の預け先の組み合わせ方は、障がい児の夏休みと仕事|放デイで埋まらない朝と夕方の預け先の記事で説明しています。

制度が子の年齢で終わる

育児・介護休業法の育児の制度は、子の年齢で対象が区切られています。

一方で、障がいのある子の場合は、年齢が上がっても通院や見守りの必要が続くことがあります。

厚生労働省の「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会報告書」(令和5年6月19日公表)には、当事者団体へのヒアリングで「障害児や医療的ケア児は子の年齢で発達段階を区切ることができない」との意見が寄せられたことが記されています。

小学校への入学や学校の卒業といった節目ごとに、使える制度や預け先が切り替わることが、3つ目の壁です。

仕事を続けるために使える制度の全体像

両立のための制度は、①法律で事業主に義務づけられている制度、②国の指針で「望ましい」とされている配慮(義務ではありません)、③勤務先が独自に設けている制度(就業規則で確認)の3つに分けると整理しやすくなります。

ここでは①②を中心に、福祉サービスと手当もあわせて紹介します。

育児の制度は、子の年齢で順に終わる

育児の制度は、子の年齢で順に終わる

育児・介護休業法の主な育児の制度と、対象となる子の年齢は次のとおりです(令和8年9月時点。厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」ほか)。

制度対象となる子の年齢内容・性質
育児のための短時間勤務3歳になるまで1日原則6時間の措置を含む。事業主の義務(労使協定で対象外となる場合がある)
テレワーク3歳になるまで事業主の努力義務(令和7年4月〜)
柔軟な働き方を実現するための措置3歳から小学校入学前まで事業主が5つの中から2つ以上を用意し、労働者が1つを選ぶ(令和7年10月〜)
所定外労働の制限(残業の免除)小学校入学前まで労働者の請求による。事業の正常な運営を妨げる場合を除く(労使協定で対象外となる場合がある)
子の看護等休暇小学校3年生修了まで1年度に5日(子が2人以上は10日)。時間単位でも取得できる(労使協定で対象外となる場合がある)

「小学校入学前まで」は、法律上は「小学校就学の始期に達するまで」です。

法律が求める育児の制度は、子が3歳になる時点から小学校3年生を修了する時点までに、順に対象外になります。

ただし、勤務先がより長く使える制度を独自に設けている場合もあるため、就業規則を確認しておくことが大切です。

障がいのある子の介護も、介護休業などの対象になり得る

障がいのある子の介護も、介護休業などの対象になり得る

育児の制度とは別に、家族を介護する労働者のための制度があります。

令和7年4月1日から適用されている「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」(厚生労働省の育児・介護休業法の解釈通達 別添1)の前置きは、介護休業の対象を次のように説明しています(注番号は省略)。

介護休業は、対象家族であって2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にあるもの(障害児・者や医療的ケア児・者を介護・支援する場合を含む。ただし、乳幼児の通常の成育過程において日常生活上必要な便宜を供与する必要がある場合は含まない。)を介護するための休業で、常時介護を必要とする状態については、以下の表を参照しつつ、判断することとなります。

判断基準では、座位保持・歩行・意思の伝達など12の項目のうち、状態「2」が2つ以上または「3」が1つ以上該当し、その状態が継続すると認められる場合か、介護保険制度の要介護2以上である場合に、常時介護を必要とする状態とされます。

常時介護を必要とする状態に関する判断基準

注記では、障害児・者に必要な行為の「確認」「指示」「声かけ」も「見守り等」に含まれることや、発達障害等を含む精神障害や知的障害などにより危険の認識に欠けることがある障害児・者の「危険回避ができない」状態が説明されています。

介護休業などは、対象となる家族の年齢に関わらず取得できる制度です(厚生労働省「育児・介護休業法 令和6年改正内容の解説」)。

判断基準に当てはまる場合は、子が小学生・中学生・高校生であっても、次の制度の対象になり得ます。

  • 介護休業:対象家族1人につき通算93日まで。3回まで分けて取得できる
  • 介護休暇:1年度に5日(対象家族が2人以上は10日)。時間単位でも取得できる
  • 介護のための所定労働時間の短縮等の措置:利用開始から連続する3年以上の期間。原則として2回以上利用できる
  • 残業・時間外労働・深夜業の制限:介護する労働者も請求できる(事業の正常な運営を妨げる場合を除く)
介護の制度と使うと何ができるのか

なお、労使協定などで対象外とされる人の範囲は、制度ごとに異なります。

介護休暇と子の看護等休暇では、令和7年4月から、労使協定で「継続雇用期間6か月未満」の人を対象外にする仕組みが廃止されました。

一方で、週の所定労働日数が2日以下の人などは、引き続き労使協定で対象外とされる場合があります。

判断基準に当てはまるかどうかは子の状態によって個別に判断されるため、障がいのある子を育てていれば必ず介護休業を取れる、というものではありません。

一方で、厚生労働省の通達は、この基準に厳密に従うことにとらわれて介護休業の取得が制限されないよう、事業主が個々の事情にあわせて柔軟に運用することが望まれるとしています。

また、令和7年4月から、労働者が家族の介護を必要とする状況に至ったことを申し出たときは、事業主が介護休業や介護両立支援制度等を個別に知らせ、利用の意向を確認することが義務づけられています(育児・介護休業法第21条第4項)。

育児の制度の対象年齢を過ぎた後も、障がいのある子の介護について勤務先に申し出ることが、使える制度を確認する手がかりになります。

12項目の内容や申出の方法は、障がい児の介護休暇・介護休業|親が使える6つの制度と条件の記事で説明しています。

意向聴取・配慮と、指針の「望ましい」配慮

意向聴取・配慮と、指針の「望ましい」配慮

令和7年10月1日から、事業主には、勤務時間帯・勤務地・両立支援制度等の利用期間などについて労働者の意向を個別に聴き、配慮することが義務づけられました(育児・介護休業法第21条第2項・第3項、第23条の3第5項・第6項)。

聴き取りが義務になる時期は、①本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出たとき、②子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間、の2つです。

子が3歳を過ぎていれば、その子についての②の時期は過ぎています。

ただし、事業主向けの指針は、この時期の聴き取りのほか、育児休業後の復帰時や、労働者から申出があった際などにも意向を確認することが望ましいとしています(指針第二の五の三(一))。

同じ指針は、意向への配慮について、次の対応が「望ましい」としています(同(三)イ)。

労働者の子に障害がある場合や当該子が医療的ケアを必要とする場合であって、当該労働者が希望するとき 短時間勤務の制度や子の看護等休暇等の利用が可能な期間を延長すること。

これは義務ではなく、延長するかどうかは勤務先の判断によります。

指針は、配慮を検討する事項の例として、始業・終業の時刻、就業の場所、業務量、制度の利用期間などを挙げています(同(二))。

希望がある場合は、就業規則を確認したうえで、こうした項目に沿って整理し、勤務先に希望を伝えることになります。

福祉サービスと手当

福祉サービスと手当

勤務先の制度とあわせて、子のための福祉サービスや手当も、働く時間や家計を支える仕組みです。

種類概要
放課後等デイサービス学校(幼稚園・大学を除く)などに就学している障がいのある子が、授業の終了後や休業日に通うサービス(児童福祉法)
日中一時支援市町村の地域生活支援事業(任意事業)。実施要綱では、目的に「障害者等の家族の就労支援」を含む。実施の有無や内容は市町村ごとに異なる(実施している市町村は85.5%。令和6年度実績)
移動支援市町村の地域生活支援事業(必須事業)。対象や内容は市町村ごとに異なる
短期入所自宅で介護する人の病気などの理由で、施設に短期間入所して入浴・排せつ・食事の介護などを受けるサービス(障害者総合支援法第5条第8項)

手当には次のものがあり、いずれも所得制限があります。特別児童扶養手当は、20歳未満で、この手当の法令が定める障害等級(1級・2級)に該当する程度の障がいのある子を、家庭で監護・養育する父母などに支給されます。

この等級は、身体障害者手帳などの等級とは別に定められたものです(特別児童扶養手当等の支給に関する法律第2条)。

障害児福祉手当は、重度の障がいのため日常生活で常時の介護を必要とする、在宅の20歳未満の方本人に支給されます。

ひとり親家庭などの児童扶養手当は、原則として、子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までが対象です。

子が政令で定める程度の障がいの状態にある場合は、20歳未満まで対象になります(児童扶養手当法第3条第1項)。

放課後等デイサービスなどを利用するときは、障害児相談支援事業所の相談支援専門員と、サービスの組み合わせを考えることができます。

障害児相談支援事業所の役割は、相談支援事業所の種類と利用の流れの記事で説明しています。

預け先の組み合わせ方は、障がい児の夏休みと仕事|放デイで埋まらない朝と夕方の預け先の記事で説明しています。

ひとり親家庭の手当と仕事は、障がい児のシングルマザーの仕事|収入で変わる3つの手当と支援の記事で説明しています。

障がい児の親の働き方の選択肢と、確かめること

ここでは、働く時間・日数・場所の組み合わせという観点で、働き方の選択肢と、それぞれで確かめることを整理します。

どの形が合うかは、子の状態や家族の状況によって家庭ごとに異なります。

4つの選択肢と、それぞれで確かめること

4つの選択肢と、それぞれで確かめること

働き方の選択肢は、大きく次の4つに分けられます。

選択肢確かめること
今の職場で働き方を変える(短時間勤務・テレワーク・配置の調整など)就業規則にある制度と利用できる期間、介護の制度の対象になるか、勤務先独自の制度
パートなど、短い時間の仕事に切り替える収入・社会保険・扶養の変化、放課後の預け先の時間と勤務時間が合うか
在宅で働く仕事をする時間帯と子が家にいる時間帯の関係、雇用契約か業務委託か(使える制度が変わる)
一度仕事を離れ、あらためて働く離職後に使える窓口(ハローワークなど)、子の成長の節目に合わせた再就職の時期

収入が変わると、社会保険や税の扶養、手当の所得制限に影響することがあります。

個別の判断は、社会保険労務士や税理士などの専門家に確認することをおすすめします。

それぞれの選択肢で確かめることや、辞める前に確かめることは、障がい児の親の在宅ワーク・パート|辞める前に確かめる4つのことで詳しくご説明しています。

不利益な取扱いを受けたと感じたとき

育児・介護休業法では、制度の申出や利用を理由とする解雇その他の不利益な取扱いが、制度ごとに禁止されています(第10条、第16条など)。

勤務先とのあいだで問題が起きたときは、都道府県労働局長による助言・指導・勧告(第52条の4)や、紛争調整委員会による調停(第52条の5)の仕組みがあります。

個別の紛争について法的な判断が必要な場合は、弁護士へのご相談をおすすめします。

子が18歳になったあとの見通し

子が18歳になったあとの見通し

特別支援学校の高等部などを卒業すると、放課後の居場所、日中の過ごし方、受け取る手当が切り替わります。

卒業後の選択肢を早めに知っておくと、親の働き方を考える材料になります。

放課後等デイサービスは、就学している子のためのサービス

児童福祉法第6条の2の2第3項は、放課後等デイサービスの対象を、学校(幼稚園及び大学を除く)または専修学校等に就学している障がいのある子と定めています(専修学校等は、市町村長が支援の必要を認める子に限る)。

満18歳に達した後も、市町村が「引き続き放課後等デイサービスを受けなければその福祉を損なうおそれがあると認めるとき」は、申請により満20歳に達するまで給付費を支給できる特例があります(同法第21条の5の13第1項)。

ただし、生活介護その他の支援を受けることができる場合は、この限りでないとされています。

卒業後の日中活動と就労選択支援

卒業後の日中活動には、生活介護、就労継続支援A型・B型、就労移行支援、一般企業への就職などの選択肢があります。

知的障がいのある方の就職先の傾向は、知的障がいのある方の仕事の記事で紹介しています。

働くことを考える場合に関わるのが、令和7年10月に始まった就労選択支援です。

利用の対象は、就労移行支援または就労継続支援を利用する意向がある方と、現に利用している方です。

特別支援学校高等部などの生徒も、1年次から利用でき、在学中に複数回利用することも可能とされています。

15歳以上18歳未満の生徒が利用する場合は、児童相談所長が障害福祉サービスを受けることが適当と認め、その旨を市町村長に通知すること(意見書)が必要です(文部科学省・厚生労働省の通知、令和7年5月15日)。

就労選択支援を行う事業所については、就労選択支援事業所とはで解説しています。

なお、就労継続支援B型を新たに利用する場合は、令和7年10月から原則として事前に就労選択支援を利用します(50歳以上の方や障害基礎年金1級を受給している方などは例外)。

就労移行支援との違いは、「就労選択支援」と「就労移行支援」の違いで比較しています。

子が20歳になると、特別児童扶養手当や障害児福祉手当は対象年齢を過ぎ、障害基礎年金などの制度が関わってきます。

障害年金の請求については、社会保険労務士へのご相談をおすすめします。

18歳の壁については、18歳の壁とは|障がい児の卒業後の日中活動と親の働き方で説明しています。

相談できる窓口

相談できる窓口

相談したい内容によって、窓口が異なります。

職場の制度のことは勤務先と都道府県労働局、子のサービスのことは相談支援事業所や市区町村が主な窓口です。

窓口主に相談できること
勤務先(人事・労務の担当部署)就業規則にある制度、申出の方法、勤務先独自の制度
都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)育児・介護休業法の制度の内容、勤務先とのトラブルについての援助
障害児相談支援事業所(相談支援専門員)放課後等デイサービスなどの利用、サービスの組み合わせ
市区町村の障害福祉の窓口(基幹相談支援センターが設置されている地域では、同センターも)福祉サービスや手当の手続、どこに相談すればよいか分からないとき
医療的ケア児支援センター医療的ケアが必要な子とその家族の相談

医療的ケア児支援センターは、都道府県知事が指定した法人などに業務を行わせるか、知事が自ら行うことができるとされています(医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律第14条第1項)。

この法律は、目的に「その家族の離職の防止に資し」と掲げています。

なお、同法は令和8年の改正(令和8年法律第77号)により、令和9年4月1日から題名が「医療的ケア児等及び重症心身障害者並びにそれらの家族に対する支援に関する法律」に変わり、目的の規定も改められます。

よくある質問

障がい児の親の仕事に関する疑問に、本文の内容をもとにお答えします。

Q1. 発達障がいのある子の親は、どんな仕事をしていますか?

本記事で紹介した調査で分かるのは、障がいの種類を問わず、働いているかどうか・働く日数・雇用形態までです。

放課後等デイサービスの保護者調査(令和8年3月報告書)では、共働き世帯が59.5%で、働いている母親の36.6%が週4日以下で働いていました。

働く日数や時間帯は、勤務先の制度や福祉サービスとの組み合わせで考えることになります。

Q2. 小学4年生以上の子の通院には、どの休暇が使えますか?

法律上の子の看護等休暇は、小学校3年生修了までが対象です。

それ以降は、子の状態が介護の判断基準に当てはまれば、介護休暇(1年度に5日、対象家族が2人以上は10日。時間単位も可)の対象になり得ます。

勤務先が看護等休暇の対象を独自に広げている場合や、年次有給休暇を使う方法もあるため、就業規則を確認してください。

Q3. 仕事を辞めるか迷ったとき、先に何を確かめればよいですか?

①就業規則にある両立支援の制度と、利用期間を延長できる独自の制度、②子の状態が介護休業・介護休暇などの対象になり得るか、③放課後等デイサービスや日中一時支援などのサービスの組み合わせ、の3点です。

サービスの組み合わせは、相談支援専門員と一緒に考えることができます。

Q4. 父親も、介護休業や意向聴取の対象になりますか?

育児・介護休業法の制度は、性別を問わず、要件を満たす労働者が対象です。

放課後等デイサービスの保護者調査では、週4日以下で働く割合は父親より母親のほうが高い結果でしたが、制度は父親・母親のどちらも利用できます。

まとめ

まとめ

障がい児の親の仕事について、本記事のポイントを整理します。

  • 放課後等デイサービスを利用する子の保護者の調査では、共働き世帯が59.5%。ただし、調査の対象によって数字は大きく異なる
  • 育児の制度は、子が3歳から小学校3年生修了までの間に順に対象外になる。介護の制度は子の年齢に関わらず、判断基準に当てはまれば対象になり得る
  • 指針の「利用期間の延長」は望ましいとされる配慮で、義務ではない
  • 18歳・20歳の節目で、居場所・日中活動・手当が切り替わる

まずは勤務先の就業規則を確認し、子のサービスの組み合わせは相談支援専門員と考えていくことが、働き続けるための足がかりになります。

制度は改正されることがあるため、最新の情報は厚生労働省・こども家庭庁のサイト等でご確認ください。

※ 本記事は行政書士 横関のプロフィールが運営する障がいビズが発信しています。

よこぜき行政書士事務所