「軽度知的障がい」という判定を受けた方が仕事を探すとき、インターネットで最初に目にするのは、職種の一覧かもしれません。軽作業、清掃、ピッキング。こうした職種が並んでいるページは数多くあります。

ただ、その一覧を見て、かえって迷いが深くなったという声も聞かれます。なぜその職種なのか、根拠が書かれていないからです。

本記事では、軽度知的障がいのある方の仕事について、「向いている仕事」を一覧で示す代わりに、次の3点をわかりやすくご説明したいと思います。国の統計で実際に分かっていること。一般就労を選ぶときに知っておきたい制度上の事実。そして、自分に合う仕事を確かめるための3つの方法です。

主に、軽度の判定を受けたご本人と、そのご家族に向けた内容です。

軽度知的障がいのある方に向いている仕事は、障がいの程度だけでは決まりません

「軽度」という区分だけで、向いている職種を決めることはできません。ご本人の得意・不得意や希望に加えて、仕事内容、勤務時間、指示の伝え方、職場で受けられる配慮などを具体的に確かめることが大切です。この記事で職種の一覧を示さない理由と、代わりに何を手がかりにすればよいのかを、順にご説明します。

今回確認した公的統計では、軽度の方に限定した職種別データは確認できませんでした

本記事で取り上げる近年の公的統計では、知的障害の程度を「重度」と「重度以外」などに分けており、軽度・中度を分けた職種別の数値は掲載されていません。そのため、これらの資料だけから、軽度の方に多い職種を示すことはできません。

まず、療育手帳の所持者数を見てみます。厚生労働省「令和4年(2022年)生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」(令和6年5月31日公表)によれば、令和4年12月1日現在、在宅の療育手帳所持者は推計で約114万人です。これは、施設入所者を含めた全国の所持者総数ではありません。

その内訳は、重度が42万人(36.8%)、その他が58万7千人(51.4%)、不詳が13万4千人(11.7%)と報告されています。区分は「重度」と「その他」の2つで、「軽度」という項目はありません。

雇用の統計でも同じです。厚生労働省「令和5年度(2023年度)障害者雇用実態調査」では、雇用されている方の程度別の割合が、重度11.8%、重度以外81.0%、不明・無回答7.2%と集計されています。ここでも区分は「重度」か「それ以外」であり、軽度・中度を分けた数字は示されていません。

なお、過去の調査に「軽度」という区分がなかったわけではありません。厚生労働省の平成17年度知的障害児(者)基礎調査では、療育手帳の程度を最重度・重度・中度・軽度の4区分で扱っています。「軽度という集計区分があるかどうか」と、「軽度の方について、現在の職種別の就職状況が分かるかどうか」は別の問題だとご理解ください。

また、これらの統計で使われている「知的障害者」という表記は、調査の集計区分名です。本記事では、統計を引用する箇所に限ってこの表記を用います。

職種別のデータは「全体の数字」としてなら存在します

軽度の方に限定したものではありませんが、実際にどの職種で就職しているかを示すデータはあります。厚生労働省「令和7年度(2025年度)ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況等」(令和8年6月19日公表)によれば、令和7年度に知的障害者がハローワークを通じて就職した件数は22,215件でした。

職業別に見ると、運搬・清掃・包装等の職業が9,610件(43.3%)で最も多く、サービスの職業が3,690件(16.6%)、生産工程の職業が3,286件(14.8%)と続きます。事務的職業も2,501件(11.3%)あります。

ただし、この数字の読み方には注意が必要です。第一に、これは知的障害者全体の就職件数です。厚生労働省の原資料には重度の方の内訳も掲載されていますが、軽度・中度を分けた集計はありません。そのため、この数値から軽度の方に限定した職種別の就職状況を読み取ることはできません。

参考までに、この22,215件のうち重度の方は3,303件です。残る18,912件が「重度以外」にあたりますが、この区分の中に軽度と中度の方が混在しているため、軽度の方だけを取り出して見ることはできません。

第二に、この就職件数には就労継続支援A型事業所への就職が含まれています。A型事業所は産業分類上「医療、福祉」に該当するため、産業別の集計をそのまま「一般企業の医療・福祉分野への就職が多い」と読むことはできません。

職業別・産業別のデータをもう少し詳しく知りたい方は、知的障がいのある方の仕事|データで見る就職先と3つの働き方でまとめていますので、あわせてご覧ください。

「軽度だから簡単な仕事」という前提が、選択肢を狭めます

統計に軽度・中度を分けた職種データがないにもかかわらず、「軽度の方に向いているのはこの職種」と書かれた記事は数多くあります。その根拠をたどると、多くは「こうした特性があるから、こういう仕事が合うはずだ」という推論です。実際の就職データに基づいたものではありません。

そもそも統計が示せるのは「実際にそうなっている」ことであって、「そうあるべきだ」ということではありません。ある職種で就職件数が多いという事実は、その職種が適しているという意味ではなく、単に求人が多かったという意味かもしれないのです。

そして「軽度だから簡単な作業を」という前提は、ご本人が本来持っている選択肢を、最初から狭めてしまう可能性があります。当サイトが職種一覧を示さないのは、その一覧がご本人の判断の助けになりにくいと考えるためです。

軽度の判定を受けた方が一般就労を選ぶとき、知っておきたい4つのこと

「軽度知的障がいでも一般就労はできるのか」という疑問は、検索でも多く見られます。一般企業で働くことは、選択肢として現に存在します。ただし、この領域には制度上の誤解が広まりやすく、その誤解がご本人の選択を狭めていることがあります。ここでは、押さえておきたい4つの点を整理します。

求人の区分と、障がいを伝えるかどうかは別の問題です

「一般枠とは、障がいを職場に伝えずに働くことだ」という説明を目にすることがあります。これは正確ではありません。

求人には、誰でも応募できる一般求人と、障がいのある方だけを対象とした障害者専用求人があります。これは求人の区分の話です。一方、障がいがあることを応募先に伝えるかどうかは、それとは別の選択になります。一般求人に、障がいを伝えたうえで応募することもできます。

さらに重要な点があります。厚生労働省の障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関するQ&A【第三版】では、障害者手帳をお持ちの方に障害者専用求人への応募のみを受け付ける取扱いについて、次のように示されています。

障害者であることを理由として、一般求人の募集及び採用の対象から障害者を排除しているため、法で禁止する差別に該当します。

なお、同Q&Aでは、障がいのある方のみを対象とする障害者専用求人そのものについては、障がいのある方を有利に取り扱うものであるとして、禁止される差別には該当しないとされています。2つの求人区分は、どちらかしか選べないものではなく、併存している選択肢だとご理解ください。

一般求人から応募しても、合理的配慮の対象外になるわけではありません

もうひとつ、混同されやすいのが合理的配慮です。「一般枠で入ったから配慮は求められない」という理解は、制度上は成り立ちません。

雇用の分野における合理的配慮は、障害者雇用促進法に基づく事業主の義務です。厚生労働省が平成27年3月に策定した「障害者差別禁止指針」「合理的配慮指針」により、平成28年(2016年)4月から施行されています。前掲のQ&Aでも「障害者に対する差別の禁止及び合理的配慮の提供義務については、平成28年4月から施行されました」と明記されています。

この義務は、募集・採用の段階と、採用された後の両方に及びます。厚生労働省の合理的配慮指針では、知的障害のある方について、募集及び採用時には「面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること」が、採用後には「図等を活用した業務マニュアルを作成する」ことや「業務指導や相談に関し、担当者を定めること」などが、例として挙げられています。

ただし、合理的配慮は事業主にとって過重な負担とならない範囲で提供されるものとされています。何をどこまで求められるかは、企業の規模や職務の内容によって異なります。

障害者雇用率制度の対象になる要件は、手帳の所持だけではありません

「療育手帳がないと障害者雇用の対象にならないのでは」というご質問もよく見られます。ここでは、2つの話を分けて考える必要があります。

ひとつは、個々の求人が応募時にどんな書類を求めるかという話です。これは企業ごとに異なります。

もうひとつは、法律上、障害者雇用率制度の算定対象となる要件という話です。知的障がいのある方については、療育手帳のほかにも道があります。児童相談所、知的障害者更生相談所、地域障害者職業センターなど、所定の機関による判定書によって対象となる場合があります。

正社員かどうかは、求人の区分とは別に決まります

「軽度知的障がいで正社員になれるのか」という検索も見られます。正社員・契約社員・パートといった雇用形態は、一般求人か障害者専用求人かという区分とは別の軸で、個々の求人ごとに設定されています。

障害者専用求人にも正社員の募集はありますし、一般求人にもパートの募集があります。求人票の雇用形態欄は、求人の区分とは分けて確認いただくのがよいかと思います。

「自分に向いている仕事」を、制度を使って確かめる3つの方法

職種一覧の代わりにお伝えしたいのが、ここからの内容です。「自分に何が向いているか」を確かめるための仕組みは、実は国の制度として用意されています。就労選択支援、地域障害者職業センターの職業評価、そして職場実習の3つを、順にご説明します。

就労選択支援|適性・能力・意向を評価する仕組み

就労選択支援は、障害者総合支援法第5条第13項に位置づけられた障害福祉サービスです。令和7年(2025年)10月1日に施行されました。ご本人の就労に関する適性、能力、そして意向を評価し、適切な働き方の選択を支援することを目的としています。

就労選択支援の対象は、就労移行支援や就労継続支援A型・B型を利用する意向がある方、または現在これらを利用している方です。仕事を探している方が条件なく受けられる適職診断とは異なります。利用には市区町村による支給決定が必要となるため、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業所にご確認ください。

内容としては、短期間の作業体験や面談を通じてアセスメントを行います。その結果を踏まえて、ご本人・ご家族・関係機関を交えたケース会議が開かれます。支給決定期間は原則1か月とされています。アセスメントの結果をハローワークが職業指導に活用する連携の仕組みも整備されています。

厚生労働省は、実際の進め方をまとめた就労選択支援 事例集も公表しています。どこで受けられるかについては、就労選択支援事業所とは|就労選択支援はどこがやるの?でご説明しています。

利用の原則化には段階があります。就労継続支援B型については、令和7年10月から新規に利用する方の事前利用が原則化されています(50歳以上の方や障害基礎年金1級を受給されている方など、例外もあります)。

就労継続支援A型を新たに利用する場合と、就労移行支援で標準利用期間を超えて支給決定の更新を希望する場合については、令和9年(2027年)4月からの原則化が予定されています。いずれも「新たに利用する場合」等が対象であり、すでに利用している方が一律に受け直すものではありません。

就労移行支援との違いについては、「就労選択支援」と「就労移行支援」の違い|5つの視点から比較で詳しく整理しています。

地域障害者職業センターの職業評価・職業準備支援

地域障害者職業センターは、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が各都道府県に設置している機関です。ハローワークと連携しながら、就職に向けた相談から職場適応の援助までを継続的に行っています。

ここで受けられる職業評価では、就職の希望を聞き取ったうえで職業能力などを評価します。そのうえで、一人ひとりの状況に応じた職業リハビリテーション計画が作成されます。就労選択支援が「どの働き方を選ぶか」の入口にあたるのに対し、こちらは就職に向けた準備から職場定着までを継続的に支える位置づけと考えると、整理しやすいかもしれません。

作業体験を通じて働く準備を整える職業準備支援や、職場に出向いて支援するジョブコーチ(職場適応援助者)による支援も用意されています。いずれも、ご本人だけでなく、受け入れる企業の側への助言も含まれる点が特徴です。

利用の手続きや対象の取扱いはセンターごとに運用が異なる場合がありますので、お近くのセンターにご確認いただくのが確実です。

職場実習で、実際にやってみて確かめる

制度による評価と並んで有効なのが、実際にその仕事をやってみることです。特別支援学校の在学中に行われる現場実習のほか、就労支援機関を通じた職場実習、企業が実施する体験的な受入れなど、いくつかの形があります。

職場実習では、面談や求人票だけでは分からない作業内容や職場環境を確かめられます。通勤の負担、職場の音や明るさ、休憩の取り方といった環境面まで含めて見られることも利点です。ただし、短期間で確認できることには限りがあります。職業評価や支援者との振り返りも組み合わせて判断するとよいでしょう。

また、実習は受け入れる企業の側にとっても、どのような配慮があれば仕事を任せられるかを具体的に検討する機会になります。ご本人と企業の双方が、雇用契約を結ぶ前に判断材料を得られるという点で、意味のある時間だと言えます。

実習の受入れ先や期間、費用の取扱いは地域や事業所によって異なります。学校の進路指導の担当者や、お住まいの地域の就労支援機関にご確認いただくとよいかと思います。

就労移行支援・A型・B型という選択肢もあります

一般企業での就労以外にも、働き方や訓練の場はあります。一般就労を目指して訓練を受ける就労移行支援、雇用契約を結んで働く就労継続支援A型、雇用契約を結ばずに作業を行う就労継続支援B型です。それぞれ対象や利用期間が異なりますので、3つの働き方の違いをまとめた記事もあわせてご覧ください。

「軽度知的障がいの大人の特徴」と仕事の関係をどう考えるか

大人になってからの特徴を調べ、それを仕事選びに結びつけたいというお気持ちは自然なものです。ただ、特性の一覧を職種に直結させると、かえって窮屈になります。ここでは、特性そのものではなく「特性と仕事の組み合わせ」で考える見方をご紹介します。

困りごとは、特性そのものではなく仕事の任され方との組み合わせで起きます

職場で「うまくいかない」と感じる場面を分解してみると、多くは特性だけでは説明がつきません。

例えば、複数の指示を同時に受けると混乱してしまうという困りごとがあったとします。これは、指示を出す人が複数いる職場では頻繁に起こりますが、担当者が1人に決まっている職場では起こりにくくなります。手順が口頭だけで伝えられる職場と、写真つきの手順書がある職場でも、結果は変わります。

もうひとつ例を挙げます。「作業が遅い」と言われてしまう場面も、実は段取りの示され方と関係していることがあります。一日の作業量だけを伝えられる職場と、「午前中はここまで」と区切って示される職場とでは、同じ方でも進み方が変わってきます。

つまり、同じ方であっても、仕事の任され方によって困りごとの現れ方は大きく変わるということです。「自分に何ができないか」を数え上げるよりも、「どういう任され方なら力を発揮できるか」を整理するほうが、仕事選びには役立つ視点だと言えます。

職場での配慮は、事業主の義務として定められています

こうした職場の環境づくりは、事業主の善意に委ねられたものではありません。前述のとおり、雇用の分野における合理的配慮は、障害者雇用促進法に基づく事業主の義務とされています。

具体的にどのような配慮が想定されるかというと、厚生労働省の合理的配慮指針では、知的障害のある方について次のような例が挙げられています。業務指導や相談に関し担当者を定めること。本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと。図等を活用した業務マニュアルを作成し、業務指示は内容を明確にして段階的に示すこと。出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること。いずれも、先ほどの「任され方」に直接かかわるものです。

もっとも、どの配慮をどこまで行うかは、事業主と話し合ったうえで、過重な負担とならない範囲で決まります。求めれば必ず実現するというものではない点は、あらかじめご理解ください。

特性の名前より、「何があると働きやすいか」を伝えるほうが伝わります

面接や入職後の面談では、診断名や手帳の区分を説明するより、具体的な要望を言葉にするほうが伝わりやすいことがあります。「メモを取る時間を少しいただきたい」「手順を紙で残していただけると助かります」といった形です。

言葉にするのが難しい場合は、就労支援機関の担当者に同席してもらう方法もあります。これは思いつきの工夫ではありません。先ほどの合理的配慮指針でも、知的障害のある方の募集及び採用時の配慮の例として「面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること」が挙げられています。

働き始めてから困ったときの相談先

就職はゴールではありません。働き続けるなかで新しい困りごとが出てくるのは自然なことです。相談できる場所は、就職した後にも用意されています。ここでは入口だけを簡単にご紹介します。

就職した後に使える支援があります

障害者就業・生活支援センター(通称「なかぽつ」)は、就業面と生活面の相談を一体的に受けている地域の窓口です。仕事の悩みだけでなく、生活リズムや金銭管理といった相談にも応じています。

職場での困りごとには、ジョブコーチ(職場適応援助者)が職場に出向いて調整を行う支援もあります。また、就労移行支援などを利用して一般企業に新たに雇用され、就労を継続している期間が6か月を経過した方には、就労定着支援というサービスもあります。こちらは最長3年間、月1回以上の面談や企業との連絡調整を行うものです。

相談窓口の全体像については、仕事について相談できる窓口をまとめた記事をご覧ください。

「仕事が続かない」と感じるときは

働き始めてから「続かない」「覚えられない」と感じることは、珍しいことではありません。そう感じたときは、ご本人の努力だけの問題と考えず、仕事の任され方や、相談できる相手がいるかどうかも確認してみましょう。

辞めるかどうかを一人で決める前に、先ほどご紹介した窓口に相談してみる選択肢があることは、知っておいていただければと思います。この点については、別記事で改めて詳しく扱う予定です。

よくある質問

最後に、軽度知的障がいのある方の仕事について、検索でよく見られるご質問にお答えします。個別の状況によって答えが変わるものもありますので、判断に迷う場合は地域の相談窓口にご確認いただくのが確実です。

Q1. 軽度知的障がいがあっても仕事はできますか。

働いている方は、実際に多くいらっしゃいます。厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査」によれば、常用労働者5人以上の民営事業所で雇用されている知的障害者は、抽出調査に基づく推計で27万5千人と報告されています。この数字は程度別に分けられたものではありませんが、規模感はつかめるかと思います。どのような働き方が合うかは、程度だけで決まるものではなく、仕事の内容と環境との組み合わせによって変わります。

Q2. 仕事の給料はどれくらいになりますか。

軽度の方に限定した賃金統計は、確認した範囲では見当たりませんでした。参考として、厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査」では、知的障害者の平均賃金は月額13万7千円(超過勤務手当を除く所定内給与額は13万3千円)と報告されています。これは令和5年5月中の賃金を調査したものです。ただし勤務時間の異なる方を含む平均であり、雇用形態も限定されていません。就労継続支援B型の工賃を含めた収入の考え方については、こちらの記事で詳しく扱っています。

Q3. 仕事が続かないときはどうすればよいですか。

まず、ご自身の努力の問題として抱え込まないことが大切です。指示の受け方や手順の示され方を職場と調整できないか、地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターに相談する方法があります。この論点については別記事で詳しく扱う予定です。

Q4. 仕事を休みたいときは、どう伝えればよいですか。

体調不良などで休む場合は、勤務先が定める方法(電話、メール等)で、始業時刻より前に連絡するのが一般的です。年次有給休暇の付与日数は、継続勤務期間や所定労働日数・時間によって異なります。労働基準法第39条により、雇入れの日から6か月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者には年次有給休暇が付与されます。また、週所定労働時間が30時間未満で、週所定労働日数が4日以下の方には、勤務日数に応じた比例付与の仕組みがあります。週単位で労働日数が決まっていない働き方については、年間の所定労働日数による取扱いもあります。手続きは勤務先の就業規則によりますので、入職時に確認しておくと安心です。個別の労務上の判断が必要な場合は、社会保険労務士など専門家にご確認ください。

Q5. 療育手帳の区分によって働き方は決まりますか。

決まりません。療育手帳は自治体が実施しており、名称も区分の表記も全国で統一されていません。同じ状態でも自治体によって表記が異なることがあります。区分と働き方の関係については、別記事で改めて扱う予定です。

Q6. 女性の場合、仕事の選び方は変わりますか。

仕事の選び方が性別によって変わるということはありません。確かめ方の手順は、この記事でご紹介したものと同じです。

まとめ

本記事では、軽度知的障がいのある方の仕事について、職種の一覧ではなく、確かめ方の手順を中心にご説明しました。最後に要点を整理します。

第一に、向いている仕事は障がいの程度だけでは決まりません。国の統計でも、程度は「重度」と「その他」という区分で集計されており、今回確認した範囲では、軽度の方に限定した職種別のデータは見当たりませんでした。

第二に、一般就労は選択肢として現に存在します。求人の区分と障がいを伝えるかどうかは別の問題であり、障害者手帳をお持ちの方を一般求人から排除する取扱いは、禁止される差別に該当するとされています。雇用の分野の合理的配慮も、障害者雇用促進法に基づく事業主の義務です。

第三に、「自分に向いている仕事」を確かめる仕組みは、制度として用意されています。就労選択支援、地域障害者職業センターの職業評価、そして職場実習。いずれも、職種の一覧を眺めるより確かな手がかりになるはずです。

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制度は改正される可能性があるため、最新情報は厚生労働省: 就労選択支援についてなどでご確認ください。


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よこぜき行政書士事務所