はじめに

うつ病などで休職し、リワークを考え始めたときに、費用がどのくらいかかるのかは気になるところだと思います。

休職中は収入が減ることもあり、通い続けられるかどうかを、お金の面からも確かめておきたいところです。

ただ、リワークは、医療機関・地域障害者職業センター・障害福祉サービスの事業所・勤務先・民間のサービスと、行う機関によって費用の仕組みが大きく異なります。

健康保険が使えるもの、受講料がかからないもの、所得に応じた月の上限額で負担が決まるもの、自費のものがあります。

本記事では、リワーク(リワークプログラム)の費用を5つの種類ごとに整理し、1か月の負担の目安、利用料のほかにかかるお金、リワーク中の給料と傷病手当金、負担額を確かめる先まで、分かりやすくご説明したいと思います。

休職中のご本人やご家族はもちろん、休職者の復職を支える人事・産業保健のご担当者にも参考にしていただける内容です。

リワークの費用はいくら?5つの種類で仕組みが違う

リワークの費用は、どの機関で受けるかによって、健康保険が使えるか、無料か、1割負担か、自費かが変わります。

お金の出どころが、医療保険、地域障害者職業センターの事業、障害福祉サービス、勤務先、本人と、種類ごとに異なるためです。

まずは5つの種類の費用を一覧で確かめ、そのうえで見落としやすい2つの点をご説明します。

5つの種類それぞれの内容や利用の流れは、リワークとは?5つの種類と期間・費用・使うまでの流れでご説明しています。

5つの種類の費用早見表

5つの種類ごとに、費用の仕組みと、本人が負担する額の目安を表にまとめました。

種類費用の仕組み本人の負担の目安利用料のほかにかかるもの
① 医療機関のリワーク(精神科デイ・ケアなど)健康保険などの医療保険の対象。自立支援医療(精神通院医療)も使える計算例:大規模な精神科デイ・ケアに月16日通うと、3割負担で33,600円、1割負担で11,200円。自立支援医療を使うと原則1割になり、所得に応じた月の上限額(0円〜2万円、または高額療養費(医療保険)の自己負担限度額)がある。一定所得以上で「重度かつ継続」に当たらない場合は対象外交通費、食事代、診断書・意見書などの文書料
② 地域障害者職業センターのリワーク支援受講料はかからない。公務員は対象外0円交通費、昼食代
③ 障害福祉サービスによる復職支援(就労移行支援・自立訓練など)利用者負担は、所得に応じた月の上限額と費用の1割のうち低いほう。休職中に使えるのは、国の通知の3つの条件を満たし、市区町村が支給決定した場合世帯の所得に応じた月の上限額(0円・9,300円・37,200円)まで。1割の額が上限額より少なければ1割交通費、食事などの実費
④ 勤務先のリワーク(職場リワーク)日本うつ病リワーク協会の整理では企業が負担勤務先の制度による勤務先の制度による
⑤ 民間の自費サービス本人が料金を支払うサービスごとに異なるサービスごとに異なる

①の金額は、診療報酬の点数をもとにした計算例です(加算や診察料などを含まない単純計算)。

実際の請求額や負担額は、利用する機関や市区町村の窓口で確かめる必要があります。

「リワーク費用」として示される金額は、どの種類のリワークの話かによって大きく変わるため、まずはご自身が使う種類を確かめることが出発点になります。

それぞれの種類の費用は、この後の見出しで順にご説明します。

「民間のリワーク」は、制度によって費用が変わる

民間の会社が運営するリワークには、障害福祉サービスとして行われるものと、自費のサービスとして行われるものがあります。

障害福祉サービスの就労移行支援や自立訓練(生活訓練)の事業所が、復職のための支援を「リワーク」の名前で案内していることがあります。

この場合は③の障害福祉サービスにあたり、利用には市区町村の支給決定(障害福祉サービス受給者証)が必要で、費用は1割と月の上限額の仕組みで決まります。

一方、障害福祉サービスではなく、自費のサービスとして行われているものは⑤にあたり、料金は事業者が決めています。

見分ける目安は、利用に受給者証が必要かどうかです。

受給者証が必要な場合は、③と同じく、休職中の利用には3つの条件と市区町村の支給決定が前提になります。

自費のサービスを検討するときは、契約の前に、料金の総額と、途中でやめた場合の扱いを確かめておくと安心です。

「払うお金」と「休職中に入るお金」は分けて考える

リワークのお金は、費用(払うお金)と、休職中の収入(入るお金)を分けて考えると整理しやすくなります。

費用は、ここまでご説明したとおり、利用するリワークの種類で決まります。

一方、休職中の収入は、勤務先から支払われる給与や、健康保険の傷病手当金など、リワークとは別の仕組みで決まります。

傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた健康保険の制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます(全国健康保険協会「傷病手当金」)。

リワークの費用とは別のお金として、給与・傷病手当金の見込みを確かめておく必要があります。

給料と傷病手当金は、後半の「会社負担になる場合と、リワーク中の給料・傷病手当金」でご説明します。

医療機関のリワークの費用|健康保険と自立支援医療

医療機関のリワークは、精神科デイ・ケアなどの診療報酬の枠組みで行われ、健康保険制度や自立支援医療制度を利用できます(日本うつ病リワーク協会「リワークプログラムとは」)。

自己負担の額は、1日の点数、医療保険の負担割合、自立支援医療(精神通院医療)を使うかどうかで変わります。

ここでは、計算例、月の上限額、医療費以外にかかるお金の順に見ていきます。

医療機関のリワークの内容や利用の手続きは、リワークデイケアとは|1日の費用・自立支援医療と利用の6ステップでも詳しくご説明しています。

1日の医療費と、3割・1割の計算例

医療リワークの医療費は、精神科デイ・ケアなどの診療報酬の点数で決まり、1点を10円として計算します。

令和8年度の点数表(令和8年6月1日施行)では、1日につき、精神科デイ・ケアは小規模なもので590点、大規模なもので700点、精神科ショート・ケアは小規模なもので275点、大規模なもので330点です(厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)医科点数表)。

例えば、大規模な精神科デイ・ケアの700点は7,000円で、自己負担が3割なら1日2,100円、1割なら700円です。

週4日(月16日)通うと、医療費は月11万2,000円で、3割負担なら3万3,600円、1割負担なら1万1,200円になります。

最初に算定した日から1年以内は、早期加算として50点が加わり、700点の場合は750点(3割負担で1日2,250円、1割負担で750円)になります(同告示)。

1年を超えると、算定は週5日が限度となり、週3日を超えて算定するのは必要性が特に認められる場合に限られます(同告示)。

実際の請求額は、ほかの加算などによっても変わるため、利用する医療機関で確かめることができます。

自立支援医療で原則1割、月の上限は所得で決まる

自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患の通院医療の自己負担を軽くする公費負担医療の制度で、対象には「デイ・ケア」が含まれます(厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」)。

自己負担は原則1割で、世帯の所得に応じて1か月の上限額が決まります(同資料)。

世帯の所得の区分月の上限額「重度かつ継続」に当たる場合
生活保護0円0円
低所得1(市町村民税非課税で、受給者の収入が一定額以下)2,500円2,500円
低所得2(市町村民税非課税で、低所得1に当たらない)5,000円5,000円
中間所得1(市町村民税(所得割)3万3,000円未満)高額療養費(医療保険)の自己負担限度額5,000円
中間所得2(市町村民税(所得割)3万3,000円以上23万5,000円未満)高額療養費(医療保険)の自己負担限度額1万円
一定所得以上(市町村民税(所得割)23万5,000円以上)自立支援医療の対象外2万円(令和9年3月31日までの経過的特例)

出典:厚生労働省「自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み」、厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」をもとに当サイトで作成

月の医療費の1割が上限額より少ない場合は、1割の額を負担します(厚生労働省「自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み」)。

ここでいう「世帯」は、通院する方と同じ医療保険に加入している方を指します(厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」)。

「重度かつ継続」には、医療保険の多数該当の方や、統合失調症・気分障害(うつ病など)といったICD-10で分類される一部の精神疾患の方などが当たります(同資料)。

1割の負担になるのは、指定自立支援医療機関のうち、受給者証に記載された医療機関で受けた医療です(同資料)。

申請先や、今の通院先とは別の医療機関でリワークを受けるときの手続きは、医療リワークの記事で詳しくご説明しています。

医療費以外にかかるお金

自立支援医療で軽くなるのは、医療機関に支払う医療費の自己負担です。

デイ・ケアに通う交通費は医療費とは別の費用で、自己負担になります。

もう1つ見落としやすいのが、診断書や意見書などの文書料です。

国の通知は、保険診療とは別に患者から費用を受け取れるもののうち「公的保険給付とは関係のない文書の発行に係る費用」として「証明書代」を挙げ、その例に、産業医が主治医に依頼する職場復帰等に関する意見書を示しています(厚生労働省「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」(平成17年9月1日 保医発第0901002号)、令和8年3月27日 保医発0327第7号による改正後 2(2)ア)。

同じ通知は、こうした費用の内容と料金を、受付窓口や待合室など院内の見やすい場所に掲示すること、原則としてウェブサイトにも掲載すること、費用を受け取るときは内容と料金を説明して文書で同意を確認することを求めています(同通知1)。

金額は医療機関ごとに異なるため、院内の掲示やウェブサイト、窓口で確かめることができます。

一方、傷病手当金の申請書に医師が意見を書く場合は、診療報酬の「傷病手当金意見書交付料」(100点)として扱われ、保険診療の自己負担の対象です(令和8年厚生労働省告示第69号)。

復職の前後は主治医に書類を頼む場面があるため、文書料も見込んでおくと安心です。

職業センターのリワーク支援の費用|受講料は無料

地域障害者職業センターは、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が各都道府県に設置している機関で、受講料がかからずにリワーク支援を受けられる点が大きな特徴です。

対象は雇用保険の適用事業所に雇われて休職している方で、国や地方公共団体などとその職員は対象外です(JEED 東京障害者職業センター「リワーク支援」)。

ここでは、無料の範囲と、自己負担になる費用をご説明します。

職業センターのリワーク支援の対象や利用の流れはリワーク支援とは?対象者・期間・費用と利用の6ステップで、センターそのものの役割は地域障害者職業センターとはでご説明しています。

受講料は、本人・勤務先とも無料

職業センターのリワーク支援は、受講料がかかりません。

大阪障害者職業センターはリワーク支援に利用料はかからないとし、愛知障害者職業センターは本人・事業主とも無料で利用できるとしています(JEED 大阪障害者職業センター「リワーク支援」、JEED 愛知障害者職業センター「リワーク支援」)。

日本うつ病リワーク協会も、職業センターのリワーク支援(職リハリワーク)の費用を無料とし、3種類のリワークを比べた表では、費用の欄を「労働保険」としています(日本うつ病リワーク協会「リワークプログラムとは」)。

交通費・昼食代は自己負担

一方、通所にかかる交通費などは自己負担です(JEED 東京障害者職業センター「リワーク支援の利用に関するQ&A」)。

北海道障害者職業センターは、通所の交通費や昼食費が実費でかかること、センターから交通費や手当などの給付はないことを案内しています(JEED 北海道障害者職業センター「FAQ よくある質問」)。

通う期間はセンターごとに異なり、東京は利用説明会からプログラム終了までを4〜6か月程度、愛知は標準14週間としています(JEED 東京障害者職業センター「リワーク支援」、JEED 愛知障害者職業センター「リワーク支援」)。

センターが住まいから遠い場合は、交通費の総額を、通う期間とあわせて見積もっておくと安心です。

障害福祉サービス(就労移行支援・自立訓練など)の費用|1割と月額上限

令和4年の法改正(令和6年4月1日施行)で、通常の事業所に雇用されている障がいのある方が、休職からの復職などの際に、就労移行支援などを一時的に利用できることが法律上に位置づけられました。

ただし、使えるのは、勤務先・地域の機関・医療機関による復職支援が見込めない、または困難であることなど、国の通知の3つの条件を満たし、市区町村が支給決定した場合です。

費用は、障害福祉サービスの利用者負担の仕組みで決まるため、ここでは負担の区分、休職中の所得の扱い、食費と交通費の順にご説明します。

休職中に使うための3つの条件や必要な書類は休職中に就労移行支援は使える?3つの条件・書類と期間を解説で、サービスそのものの内容は就労移行支援とはでご説明しています。

1割と月の上限額の低いほうを負担、上限は4つの区分

障害福祉サービスの1か月の利用者負担は、所得などに応じて決まる「負担上限月額」と、その月のサービス費用の1割のうち、低いほうの額です(障害者総合支援法第29条第3項)。

負担上限月額は、世帯の所得に応じて次の4つの区分に分かれています(厚生労働省「障害者の利用者負担」)。

区分世帯の状況月の上限額
生活保護生活保護を受けている世帯0円
低所得市町村民税が非課税の世帯0円
一般1市町村民税が課税の世帯で、所得割が16万円未満(収入がおおむね670万円以下の世帯)。入所施設の利用者(20歳以上)とグループホームの利用者を除く9,300円
一般2上記以外37,200円

出典:厚生労働省「障害者の利用者負担」をもとに当サイトで作成

厚生労働省は、ひと月に利用したサービスの量にかかわらず、上限額を超える負担は生じないとしています(同ページ)。

18歳以上の方の場合、所得を判断する世帯の範囲は、本人とその配偶者です(施設に入所する18歳・19歳の方を除く。同ページ)。

なお、サービス等利用計画を作る計画相談支援は、国の基準で算定した費用の額がそのまま計画相談支援給付費として支給されるため、利用者の負担は基本的にありません(障害者総合支援法第51条の17第2項)。

ただし、利用者が選んで、事業所の通常の事業の実施地域の外へ訪問してもらう場合は、交通費を求められることがあります(指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準 第12条第2項)。

計画相談支援の内容や利用の流れは、計画相談支援とは|費用・対象者・利用の流れを5ステップで解説でご説明しています。

休職中でも、区分は「その年度の市町村民税」で決まる

休職中の方にとって大切なのが、区分を決めるときに見る所得の時期です。

負担上限月額の区分は、サービスを利用した月の属する年度(4月から6月までは前年度)の市町村民税の課税状況で判定されます(障害者総合支援法施行令第17条)。

そして、市町村民税の所得割は、前年の1月1日から12月31日までの所得で算定されます(総務省「個人住民税」)。

例えば、令和8年(2026年)11月の利用分は令和8年度の市町村民税で判定され、令和8年度の所得割は令和7年1月から12月までの所得で算定されています。

そのため、休職して今年の収入が減っていても、休職前の所得によって世帯(本人と配偶者)が市町村民税の課税世帯になっていれば、区分は一般1か一般2にあたります。

月の上限額が0円になるのは、生活保護を受けている世帯か、市町村民税が非課税の世帯の場合です。

ご自身の区分や、収入の変化がいつ区分に反映されるかは、お住まいの市区町村の障害福祉の窓口で確かめてください。

食費などの実費と、自治体の交通費助成

利用者負担のほかに、食事などの実費がかかる場合があります。

通所の事業所で食事の提供を受ける場合、低所得と一般1(グループホームの利用者(所得割16万円未満)を含む)の方は食材料費のみの負担となり、実際にかかる額のおおよそ3分の1、月22日利用で約5,100円程度とされています(厚生労働省「障害者の利用者負担」)。

食材料費の額は、事業所ごとに設定されます(同ページ)。

通所の交通費については、一部を独自に助成している自治体もあります。

例えば船橋市は、受給者証の交付を受けて生活介護・自立訓練・就労選択支援・就労移行支援・就労継続支援に通所する方などに、交通機関の運賃の2分の1(1か月5,000円まで)を助成しています(船橋市「障害者施設等通所交通費の助成」)。

相模原市も、生活介護・自立訓練・就労移行支援・就労継続支援を行う施設に、電車・バスなどで通所する方に交通費の一部を助成しています(生活保護制度の利用者は対象外。相模原市「障害者施設通所交通費の助成」)。

助成の有無・対象・条件は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村で確かめてください。

会社負担になる場合と、リワーク中の給料・傷病手当金

リワークの費用を勤務先が負担してくれるのか、リワーク中の給料はどうなるのかは、いずれも勤務先が関わるお金です。

ただし、リワークの費用と休職中の給料は別の仕組みで決まり、傷病手当金は健康保険の給付です。

ここでは、会社負担になる場合、休職中の給料、傷病手当金の仕組みを順にご説明します。

会社が費用を負担するのは、勤務先の制度や契約がある場合

日本うつ病リワーク協会の整理では、企業内やEAP(従業員支援プログラム)などで行う職場リワークの費用は企業負担とされています(日本うつ病リワーク協会「リワークプログラムとは」)。

職場リワークがあるかどうか、どのような内容かは、勤務先ごとに異なります。

一方、医療機関のリワークの自己負担や、障害福祉サービスの利用者負担は、利用する本人が支払う仕組みです。

勤務先が独自に費用を補助する制度を設けているかどうかも、勤務先ごとに異なります。

国の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」は、民間の医療機関やEAPなどが有料で行う復職支援について、サービスの内容や目標は多様だとしています(厚生労働省・独立行政法人労働者健康安全機構「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」)。

そのため、事業場が必要とする要件を満たしているかを、前もって検討することが望ましいとされています(同手引き)。

勤務先が契約しているサービスがあるか、費用をどこまで負担するかは、人事担当者や産業医などに確かめることになります。

休職中の給料は、就業規則などで決まる

休職中に給与が支払われるかどうかは、勤務先の就業規則などによって異なります。

リワークに通っている期間の給与の扱いも、勤務先の制度によります。

個別の扱いは、勤務先の人事担当者に確かめてください。

傷病手当金の仕組みと、確かめる先

給与が支払われない間の生活を支える制度として、健康保険の傷病手当金があります。

全国健康保険協会(協会けんぽ)は、次の4つの要件をすべて満たす場合に、傷病手当金の支給の対象になるとしています(全国健康保険協会「傷病手当金」)。

  • 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  • 仕事に就くことができないこと(療養担当者の意見等を基に、被保険者の仕事の内容を考慮して判断)
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと(連続した3日間の待期の後、4日目以降が対象)
  • 休業した期間について給与の支払いがないこと(給与が傷病手当金の額より少ない場合は、その差額を支給)

1日あたりの額は、支給開始日以前の12か月間の各標準報酬月額を平均した額を30日で割り、3分の2を掛けた額です(同ページ)。

支給開始日以前の期間が12か月に満たない場合は、直近の継続した各月の標準報酬月額の平均額と、全被保険者の標準報酬月額の平均額のうち、低いほうを使って計算します(同ページ)。

支給される期間は、同じ病気やケガについて、支給を開始した日から通算して1年6か月です(同ページ)。

リワークに通っている期間が「仕事に就くことができない」状態に当たるかどうかは、加入している健康保険の保険者が判断します。

本記事では、個別の受給の可否や金額は扱いません。

協会けんぽ以外の健康保険組合や共済組合に加入している方は、加入先の案内を確かめてください。

リワークの費用についてよくある質問

リワークの費用について、検索されることの多い質問に、本記事の内容をもとにお答えします。

Q1. 無料で受けられるリワークはありますか?大阪でも無料ですか?

受講料がかからないものとして、地域障害者職業センターのリワーク支援があります。

大阪障害者職業センターも、リワーク支援に利用料はかからないとしています(JEED 大阪障害者職業センター「リワーク支援」)。

ただし、交通費などは自己負担で、国や地方公共団体などの職員(公務員)は対象外です。

障害福祉サービスによる復職支援は、世帯が生活保護を受けているか、市町村民税が非課税であれば、利用者負担の上限額は0円です。

勤務先のリワークを使う場合の本人の負担は、勤務先の制度によります。

Q2. リワークは保険適用ですか?3割負担ですか?

健康保険などの医療保険が使えるのは、医療機関のリワークです。

医療保険の自己負担の割合は、義務教育就学後から70歳未満の方は3割です(厚生労働省「我が国の医療保険について」)。

自立支援医療(精神通院医療)を使うと、自己負担は原則1割になり、所得に応じた月の上限額が設けられます。

1日の点数と計算例は、本記事の「1日の医療費と、3割・1割の計算例」でご説明しています。

職業センターのリワーク支援と障害福祉サービスは、医療保険とは別の仕組みで費用が決まります。

Q3. リワークの費用に使える補助はありますか?

本人の費用を軽くする仕組みとしては、主に次のものがあります。

  • 医療機関のリワーク:自立支援医療(精神通院医療)。自己負担が原則1割になり、所得に応じた月の上限額がある
  • 障害福祉サービスによる復職支援:所得に応じた月の上限額。低所得・一般1の方は、通所先で食事の提供を受ける場合の食費の負担が軽くなる
  • 通所の交通費:自治体によっては独自の助成がある(例:船橋市・相模原市)

職業センターのリワーク支援は、受講料がかかりません。

勤務先が独自の補助を設けているかどうかは、勤務先に確かめてください。

Q4. 傷病手当金を受けながら、リワークに通えますか?

傷病手当金を受けられるかどうかは、仕事に就くことができないことなどの要件で判断されます(全国健康保険協会「傷病手当金」)。

リワークに通う期間の扱いを含め、判断するのは加入している健康保険の保険者です。

通い始める前に、勤務先の人事担当者と、加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合など)に確かめておくと安心です。

Q5. 自分の負担額は、どこで確かめればよいですか?

確かめる先は、知りたいことによって異なります。

上限額や助成の内容は改正で変わることがあるため、利用を始める前の時点で確かめておくと安心です。

確かめたいこと確かめる先
医療リワークの1日の費用・文書料利用を考えている医療機関の窓口
自立支援医療の上限額・受給者証お住まいの市区町村の窓口
職業センターのリワーク支援の利用各都道府県の地域障害者職業センター
障害福祉サービスの負担の区分・交通費の助成お住まいの市区町村の障害福祉の窓口
休職中の給与・勤務先の補助勤務先の人事担当者
傷病手当金加入している健康保険の保険者

まとめ

リワークの費用は、どの種類のリワークを使うかで、お金の出どころと自己負担の仕組みが変わります。

要点は次のとおりです。

  • 医療機関のリワークは医療保険の対象で、自立支援医療を使うと自己負担は原則1割になり、所得に応じた月の上限額がある
  • 職業センターのリワーク支援は受講料がかからない。交通費などは自己負担で、公務員は対象外
  • 障害福祉サービスによる復職支援は、費用の1割と月の上限額(0円・9,300円・37,200円)のうち低いほうを負担する。区分は利用した月の年度(4〜6月は前年度)の市町村民税で決まる。休職中の利用には、3つの条件と市区町村の支給決定が必要
  • 勤務先のリワークの費用は、日本うつ病リワーク協会の整理では企業負担。費用を補助する制度があるかどうかは勤務先による
  • 休職中の給料は就業規則などで決まり、傷病手当金を受けられるかは健康保険の保険者が判断する。どちらもリワークの費用とは別に考える

どのリワークを使うか、いつから始めるかは、主治医や勤務先と話し合いながら決めることになります。

早見表と確かめる先の一覧を手がかりに、ご自身の負担額を早めに確かめておくと安心です。

リワークの種類・期間・使うまでの流れの全体は、リワークとは?5つの種類と期間・費用・使うまでの流れでご説明しています。

本記事の内容は、令和8年11月6日時点で確認した国の告示・通知・資料に基づいています。

参考資料

※ 本記事は行政書士 横関のプロフィールが運営する障がいビズが発信しています。

よこぜき行政書士事務所