記事監修者

本記事は、相談支援専門員YouTuber satoshiさんの動画を基に、satoshiさんに監修頂いて制作したものです。

ちゃんねるsatoshi - YouTube

毎週火曜日、金曜日19時配信予定 このチャンネルは全ての必要な方に必要な情報を届ける為、障害年金や障害福祉のサービスについてお話しするチャンネルです。 精神科クリ…

本記事では、「こんな相談支援専門員はすぐに離れた方がいい!危険な相談支援専門員3選」をテーマにお話ししていきたいと思います。

相談支援専門員である自分自身の首を閉めてるような気もするんですけれども、大切なテーマなので自戒の意味も込めてお話ししていきたいと思います。

私が相談支援専門員という対人援助職のプロとして活動している中で、「これはまずいな」と自分も自覚しながら感じていることがあります。

それを本記事でお話ししたいと思います。

沢山あるのですが、あえて3つに絞ってお話ししていきたいと思います。

【その1】自分自身で全て抱え込む相談支援専門員

自分自身で全て抱え込む相談支援専門員

まず1つ目は「自分で全て 抱えようとしてしまう相談支援専門員」です。

平成24年から「サービス等利用計画」「計画相談支援」が始まって約12年が経ちました。

平成24年から平成27年の3 年間に「全ての方にサービス等利用計画を作る」という動きがありました。

このような動きになってくると兼務で相談支援をやらなくてはいけない状況の法人もあると思います。

実際に、就労継続支援B型の職員でありながら、自分の法人の利用者だけのサービス等利用計画を作る相談支援専門員がたくさんいらっしゃいます。(詳しくは『相談支援専門員が抱える理想と現実』でもお話していますので、ご参照下さい)

令和6年からは報酬改定がされて、専任の相談支援専門員に対しても光が当たったという状況ではありますが、まだ片手間相談支援専門員がたくさんいる状況は変わりません。

専任で相談支援だけをやっている相談支援専門員の件数と片手間の相談支援専門員の件数を比べる全然違います。

差がありますが5人から20人くらいの自分の事業所の利用者だけを受け持っている相談支援専門員もいれば、200人や300人くらいを1人だけで受け持っている相談支援専門員もいらっしゃいます。

200 人を1人で支えるっていうのは、かなり厳しい状況であると言えると思います。

このように多くの利用者を受け持っている相談支援専門員は、自分だけの力だけでは対応が難しので、いろいろな方の力を借りるということが大事になると思います。

相談支援専門員だけが抱える仕組みではなく、事業所に任せる、専門の分野の方に繋いでいく、地域の方に繋いでいく、医療分野に繋いでいくというように、自分のできる範疇を自覚しながら、自分のできないことは人に任せていくということが重要なポイントになってきます。

「とにかく自分の中でどうにかしよう」となると、地域の中での知り合いや専門家に繋いでいかずに、自分が対応できる以上のサービスを提供できないということになります。

そうなると、結局、障害当事者の方に不利益な形になってしまう可能性もあります。

なので「1人で抱え込みすぎている相談支援専門員」は危険だと考えています。

とはいえ、「とにかく自分の中でどうにかしよう」と考えてしまうのも理解できる部分ではあるのですが、ちょっとちゃんと厳しく言っとかなきゃなっていうところでお話しさせていただいています。

【その2】病名をつけたがる相談支援専門員

病名をつけたがる相談支援専門員

そして2つ目は「病名をつけたがる相談支援専門員」です。

「ああ、あの人、発達だから」や「精神の方だよね」みたいな話で片付けてしまう方っていらっしゃら ないでしょうか。

これもかなり危険だと思います。

それに 同調して「確かに精神の方って難しいよね」や「確かに発達だもんね」のように言われる方もたまにいらっしゃいますが、これはもっと危険だと思っていただけたらと思います。

少なからず、病名を付けたくなる状況ってないでしょうか。

今、ドキッとされた方もいらっしゃるでしょう。

過去振り返れば、僕もやっていたかもしれないです。

だから自戒も込めてお話ししています。

すぐに病名をつけたがるという、「自分自身の実力がない」「これ以上無理で 」と言っているのと同じことなんです。

白旗を上げているっていう状況です。

これを自覚しながら言われているのであれば、まだいいかもしれないのですが、自分の実力を隠した上ですぐに病名をつけたがるのだとしたら、危険です。

病名はなぜついているのでしょうか。

医療機関に行って体調を直してもらうために受診をして、薬を出すために傷病名が必要だということもあります。

処方をするために、ドクターは診断名をつけます。

それ以外にも以下のような理由で傷病名を付けてもらっている場合があります。

  • 障害年金を受給するため
  • 福祉サービスを利用するため
  • 障がい者手帳を取得するため
  • 障害者雇用をしてもらうため

支援をする上で、病名は目安になったり道しるべになる場面はあります。

病名を参考にしながら、ちゃんと相談者と向き合って関係性を作っていったり、相談者の思いを叶えていくということであればいいと思います。

けれども、「この人とは関わりづらいな」と思ったら、その人のことを知ろうとする努力を避けて、すぐに病名をつけて「〇〇という病気の人だからしかたない」と逃げてしまうような、すぐに「病名をつけたがる相談支援専門員」は危険です。

【その3】「支援」と「惰性」を使い分けていない相談支援専門員

「支援」と「惰性」を使い分けていない相談支援専門員

3つ目は「支援と惰性を使い分けていない相談支援専門員」です。

「支援」と「惰性」というものが、どのゆようなものか分かりにくいかもしれませんので、具体例をあげてご説明したいと思います。

「自立生活援助」というサービスがあります。

自立生活援助は、「居宅において単身等で生活する障害者につき、定期的な巡回訪問又は随時通報を受けて行う訪問、相談対応等により、居宅における自立した日常生活を営む上での各般の問題を把握し、必要な情報の提供及び助言並びに相談、関係機関との連絡調整等の自立した日常生活を営むために必要な援助を行う。」と規定されています。

厚生労働省「自立生活援助の運営ガイドブック

一人暮らしの障害者を支えるサービスとして平成30年4月1日施行となる改正障害者総合支援法の中で新たに創設された障害福祉サービスです。

月2 回以上訪問し、生活の中の困り事や地域とどう繋がっていくか等、障がいのある方が 一人暮らしをしながら自立した日常生活を営むために必要な援助を行います。

障がいのある方が 一人暮らしをするにあたって、生活の中での困り事がたくさんあります。

例えば、固定資産税をコンビニの自動化レジで支払うとします。

機械の操作が難しくどうやって払えばいいのか分からないけれど、対人恐怖があるので店員に聞くことができず困ってしまうという方もいらっしゃると思います。

こういった状況の時に、同行して固定資産税をコンビニに払いに行く自立生活援助サービスがあります。

自立生活援助は基本的に1年間という期限があるサービスです。

期限があるサービスだとしたら、1年後以降にどのようにしていくかを、サービスを提供する1年の間に考える必要があると思うのです。

「この方が本当は力があるんじゃないか」とか「いろいろな可能性があるんじゃないか」と関わっていくべきだと思うのです。

「固定資産税を払いに行く」という行為を、ご自身の力でできるように高めていくのか、誰かに繋いでいくのか等を考えていかなければいけないと思います。

しかし、「ご本人が機械で支払う操作をするのは難しいから」という理由だけで、「これは支援として継続しなきゃいけない」と支援を組み立てる相談支援専門員がいらっしゃいます。

そうすると1年経ってもずっと同行支援を続けなければいけなくなってしまいます。

もちろん、出来ないことがあれば、きちんと継続する支援として組んでいくことは必要です。

けれども、ここで疑わなければいけないのが、「本当に本人にそういった力がないのか」ということです。

もしかすると数回一緒に行くことで、その場に慣れて固定資産や他の払い込みを自分でコンビニに行ってできる可能性があるかもしれません。

または、ちょっと誰かに関わっ てもらえば出来る可能性もあるかもしれません。

そういったことを何も考えずに「惰性で支援として継続し続けるのか」又は「いろいろな可能性があるんじゃないか」ということを考えて、どこかに繋いでいくことを意識するのかで、大きな違いが出てくるのだと思います。

具体的な例で言うと、機械で支払いができないとしてもコンビニの店員さんにちょっと関わってもらえば払い込みができるのだとしたら、「固定資産の紙を持ってコンビニに行けば、一緒に考えますよ」のようなこと言うような感じです。

ご自身一人では出来ないとしても、誰かに手伝ってもらったり、誰かにちょっと関わってもらうだけで出来ることはあると思います。

障害当事者ではなくても、誰でもこういったことはあると思います。

高齢者の方がコンビニの店員さんに「やり方がわからないんです」と伝えて、コンビニの店員さんに手伝ってもらうこともあるのではないでしょうか。

私自身も分からない場合は「これ、どうすればいいですか」と聞く場合もあります。

「サービスの終結」をどこに 持っていくのかを常に考えることは非常に重要だと思います。

障害当事者の方の「やる力がない」として支援を継続するという話になると、惰性で支援を組み続けてしまいます。

そうすると、この障害当事者の方が本来持っている力が「ある」にも関わらず、その力を「奪う」ことになりかねません。

ここに気がついているかいないかは非常に重要なポイントになります。

なので、この3つ目の「支援と惰性を使い分けていない相談支援専門員」も危険だと思います。

まとめ

以上、危険な相談支援専門員を3つ挙げさせていただきました。

  • 自分自身で全て抱え込む相談支援専門員
  • 病名をつけたがる相談支援専門員
  • 「支援」と「惰性」を使い分けていない相談支援専門員

この3つに関しては気をつけた方がいいと思います

これはもちろん自分への自戒を込めてお話ししています。

私自身もしっかりここは意識しながらやっていきたいと思います。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

監修者のご紹介

相談支援専門員YouTuber satoshiさん

YouTube「ちゃんねるsatoshi」は毎週火曜日、金曜日19時配信予定。

このチャンネルは全ての必要な方に必要な情報を届ける為、障害年金や障害福祉のサービスについてお話しするチャンネルです。

stand.fm(スタエフ)では毎朝8時くらいに障害年金・障害福祉サービスのことをもう少し距離感が近い感じで話されています。

noteでも情報を発信されています。

また、BASEにてzoomやメールにて個人相談もされていますので、本記事をお読みいただいて気になった方は是非satoshiさんにご相談ください。

ちゃんねるsatoshi - YouTube

毎週火曜日、金曜日19時配信予定 このチャンネルは全ての必要な方に必要な情報を届ける為、障害年金や障害福祉のサービスについてお話しするチャンネルです。 精神科クリ…